リサイクルワンとグロービス、環境関連企業に投資 という記事を大きく掲載いただきました。
今年3月にリサイクルワン社に投資を行いました。リサイクルワン社はリサイクルビジネスの事業化支援も事業として行っています。具体的には、自治体からリサイクルビジネスの事業化の可能性の調査 や 事業化決定した時のビジネスプラン作成、資金調達、事業パートナーの選定、プラント等の技術評価・導入 、そして 運用の支援まで行っています。 環境・リサイクル業界のハンズオン型プロデューサーともいえます。
循環型社会の実現するため、リサイクル関連法が整備され、今後 多くの新規のリサイクルビジネスが立ち上がります。 リサイクルワンが持つ事業化支援能力に加え、資金といったところが重要になります。 リサイクルビジネスに対して、銀行の融資(プロジェクトファイナンス)は活発に行われていますが、エクイティでの投資は必ずしも潤沢ではありません。 また、資本構成は通常 JV形式のため事業会社が中心となります。また、単独のIPOは難しい業界でした。
市場は成長するが、 VCとしての投資機会はなかなかないという業界なのですが、リサイクルワンと共同で投資するという”一体化”することと、 持株会社を設立し、単体ではなく、トータルでのリターンを狙う といったことが、今回のスキームのポイントです。Debtと補助金という高いレバレッジを実現しており、エクテイティの投資では十分なリターンが見込めると判断しています。
一方、リサイクルワン社にとってはさまざまな事業を主導的な立場で、立ち上げることが可能となりました。 今まではどうしてもコンルティングのような仕事になりますが、我々が資金提供力をサポートすることで、機動的な事業展開が可能となります。
我々の投資戦略は明確で、 リサイクルワンが事業化支援し、投資する会社に投資していきます。つまり、単独での投資は行いません。 分野としては、バイオマス発電といった新エネルギー分野、高付加価値(利益率が高い)マテリアルリサイクル分野を中心に行っていきます。
この投資手法は、リップルウッドさんのインダストリアル・パートナーシップ をモデルにしています。リサイクルワン社は業界No1の事業化支援・事業評価の能力を有する会社です。
IP(インダストリアル・パートナー)は、リップルウッドの社員ではなく、特定の企業からは独立しており、リップルウッドと共同で投資事業を行う正式の協力契約を締結します。またIPはコ
ンサルタントでもなく、リップルウッドが投資する事業の経営陣に加わり、自らの資金で共同投資を行います。インダストリアル・パートナーからの貢献は、
(1)特定の事業を実際に成功させた経営者ならではの知識・経験を活かし、投資対象の発掘を行い、分析、評価に参加する、(2)投資・買収後の事業戦略の
策定を主導し、企業価値の増大を図る、(3)投資後、経営陣として事業経営に参画し、自らの経験、人脈を最大限活用する、(4)欧米市場での経験から、経
営に新しいまたはグローバルなビジョン・発想を持ち込む、(5)国内外を通じ、その事業分野での魅力的な追加買収対象を発掘・評価できるといったことで
す。
リサイクルワン社は個人ではなく、会社ですが、上記のような役割です。共同に投資し、経営をサポートする。 環境分野は業界ノウハウが重要です。 いっしょに循環型社会の実現に向けて頑張っていきたいと思います。
私のブログでは、ネット系の話が中心ですが、環境分野もまじめにやっています。ネット系・IT系の場合はNILSのような活動をしていますが、投資セクターごとに”仕組み”をしっかり作っていくことが重要だと考えています。
今後もこのようなインダストリアル・パートナーシップを強化していきたいと考えています。