「新たな決意」でもメディアについて少しだけ書いておりましたが、改めてICCの「メディア」の考え方とは何か?をまとめたいと思います。
ICCカンファレンスはどういうものか?
ICCカンファレンスの最大の特徴はセッション数が多く、登壇者も160-180名と多いことです。
2016年9月に開催したICCカンファレンス KYOTO 2016の場合では3日間で46セッションありますし、来年2017年2月開催予定のICCカンファレンス FUKUOKA 2017では3日間で44セッションを予定しております。通常のセッションに加えて会議室で行う「特別番組」という企画があります。
登壇者の顔ぶれを見ていただけるとわかるのですがベンチャー企業の経営者から大手企業の経営者 さらにはお坊さんやシェフなど非常にバラエティのある構成となっております。ICCでは「新産業をリードするトップリーダー」という表現を使っていますが、文字通り「宇宙ビジネス」のような新しい分野を開拓する方もいますし、仏教やタクシー業界のように長年の歴史を持つ業界が新しいチャレンジをしていることも1つの「新産業」という考え方をしています。
このようなトップリーダーが京都や福岡といった普段の環境を変えて一堂に会し、2〜3日で集中して意見交換をすることを実現するのが「ICCカンファレンス」です。プログラムは先ほど記載したとおり40セッション以上ありますが、もうひとつの特徴としては「選択性」であるという点です。メイン・プログラムであれば4つの中から選択することになります。
興味関心に応じて選択することができるようになっています。さらにすべて録画しているため、後日 参加者限定ではありますがオンライン動画を見ることができます。 そしてすべて書き起こして記事を配信しています。
ICCのメディアの仕組み
ICCでは独自の「メディア」を持ち記事を配信しています。通常のイベントの場合は「メディアパートナー」のように記者の方を招待し、記事化するということが一般的です。ICCでは独自で記事化する体制を構築し、配信仕組みです。
なぜ、ICCカンファレンスでは独自のメディアで配信するのか? それはイベントやカンファレンスの数は年々増加していますが、記者人数は増えているわけではないのです。つまり、物理的に参加することが難しくなっている。それも京都や福岡で開催しているわけですが、ICCのような新規のカンファレンスでは記事化は難しいのです。
実際にICCカンファレンスは2016年3月24日に第一回を開催しました。そこにはメディアの方は何名から参加していましたが実際に記事化したのは1社のみであり、それも要点をまとめるような記事であり、いろいろ議論した中の一部でした。
1セッション75分のセッションを記事化するんは通常のメディアでは難しいです。さらにカンファレンスやイベントなどの「書き起こし」をするメディアは既に存在しますがICCのコンテンツとしては「外部」に存在することになり、編集の権限もありませんし、コストもかかる。
本当に素晴らしいトップリーダーの話をしっかりメディアとして配信することは価値のあることだと考え、さらにはICCカンファレンスのブランディングなどを考えると「カンファレンス」と「メディア」の垂直統合型のモデルを構築するのがベストであるという判断をしました。ビジネス的な観点ではなく、ICCカンファレンスで議論さされた素晴らしい議論をもっと多く人に伝えたい。そういう思いで無料で配信しています。
キュレーション・メディアはいろいろ話題になっていますが特徴としては「コンテンツ量」の多さです。ICCカンファレンスも単発で記事を出しても「メディア」として成立することはありません。また報道のような速報性の記事は記者がいないので配信することはできません。
そこで試行錯誤した結果、Newspicksのオリジナルコンテンツのような「連載型」のコンテンツに特化した分散型メディアを構築するというのがICCのメディアです。
ICCでは読み応えのある「連載」を週3〜4シリーズ配信しています。1シリーズ=1セッションというシンプルな構成です。セッション数は特別番組を含める 50-60セッション分の録画があります。半年で50-60セッションを配信する。6ヶ月 X 4週間は24ですので、48セッションあれば週に2シリーズ配信することができる。取材などもする予定ですが原則は取材はしないメディアであり、ICCカンファレンスのコンテンツのみを原則配信するためのメディアです。TEDと同じような位置づけです。
1セッション75分ですが1回あたり3〜5分程度で読めるように編集してるため、1セッションは5〜9記事となって配信されます。「3〜5分程度」で読むにこだわっており、ICCの記事だけでも1日15-20分で読めるようにしています。これをNHKの「朝ドラ」のように毎日15分のコンテンツとして出しています。
例えば、「AIや技術の進化によって人間はどのように再定義されるのか?」の場合は6記事となりました。
配信先はNewspicksには自動配信される仕組み(多くのメディアが同じ仕組み)となっています。 ICCのNewspicksページから配信されています。
実際にご覧になるとわかりますがすべての記事が多く読まれるわけではありません。「たまに」大きくフィーチャーされて多くの人に読まれます。現在 過去30日でユニークユーザー数では12万ユーザーくらいの規模となっております。小さな規模はありますがしっかり読まれるような記事になっています。
体制は編集チームとして現在 2名で担当しています。書き起こしはクラウドワーカー(クラウドワークス)さん経由で4-5名体制のチームとなっており、サイトの管理を契約して担当の方が1名いるようになっています。記事の最後には「編集チーム」という名前で4名記載があるのですが、小林・榎戸がICCパートナーズのメンバーです。戸田さんという方はサイト構築など頂いていますが自分でベンチャーを経営されています。ICCカンファレンスのボランティアチームとしても活躍しています。そして4人目はクラウドワークカーです。
私も榎戸もメディアに関しては1日5時間以内の仕事であるため実質 1人月の体制です。メディアでは広告や課金などせずにあくまでICCカンファレンスの素晴らしいコンテンツをしっかり配信することのみに集中して行っています。
ICCのビジネスモデルは年2回の大型カンファレンスの参加費収入やスポンサー収入が基本であり、一部アドバイザーのような仕事をしています。
(続)
次回はコンテンツの編集方針などまとめたいと思います。感想はNewspicksでぜひ。