今日はベンチャーキャピタルの資金調達について書いてみたい。
典型的なVCのビジネスモデルは、投資ファンドを100億円を設立した場合、年間100億円の2-3%を運営手数料で、投資スタッフの給与やオフィス、といった費用をまかなっている。成功報酬は、キャピタルゲインの20-35%くらいだろう。シリコンバレーの一流ファンド(KPCBとか)は35%の成功報酬と聞いている。そんだけとってもリターンが高いということなので、すごいなと正直に思う。 100億円は一括して初めてに出していただくのではなく、通常は投資を実行するたびにお金を引き出している。 そのほうが利回りが高いからだ。
では、資金のどでところはどこか? 日本のVCの場合は金融機関系が多く、親会社を中心に国内の投資家からの資金調達が大半だ。独立系も個人の木起業家の成功者からお金を集めている。
弊社の場合は、欧米型のベンチャーキャピタルファンドであるため、90%の投資家が海外の機関投資家だ。 機関投資家というのは年金基金等である。アジア、アメリカ、ヨーロッパ、と各地に投資家がいる。
来年には次のファンド(200-300億円?)を設立を予定しているので、最近 海外の投資家を含め、いろいろと事前の”デューデリジェンス”のためにインタビューを受けています。 いつもは投資する側なので、デューデリジェンスをする立場であるが、今回はされる立場で、質問される項目は実に勉強になります。
どんなことを聞かれのか?という点は一般的にでてこない話だと思いますので、興味があるどうかわかりませんが書きたいと思います。
(会話は英語だったりしますが、日本語で書きます)
Q いつ入社したのか?
A: 2001年6月です。 5年目です。
Q:前職は何をやっていのか?
A:ADLというコンサルティング会社で3年間強 勤務していました。IT業界を中心に経営戦略の立案 等をやっていました。最後の1年間はベンチャー企業の育成事業をやっていました。
Q: GCPに入社したのはなぜ? どうやって?
A: ハンズオンでまともにしっかりやっている会社はGCPくらいだった。GCP主催のセミナーに参加した際に、誘われた。
Q: 現在の担当エリアは?
A: インターネット、ソフトウェアといった分野の投資責任者をやっています。
Q:チームメンバーは何名?
A: ○× 名です。
Q: あたなの担当投資先は?
A: ○×社です。
Q: ○×社はどうやって発掘したのですか? なぜ投資したのですか?
A: 私の妻の友人の紹介です。 理由は○×です。
Q: ○×という会社の業績は低迷していますが、どうしてですか?どうするのですか?
A かれこれしかじか
Q: ○×という会社は業績低迷していますが、なんで追加投資したのですか? そのとき のValuation?
A: 投資したのは○×です。・・
Q: 投資した理由はわかりましたが、他のVCが投資しないのにあえて投資したのは
なぜですか?
A: かれこれしかじか・・・。 半年後に○×倍のリターンで一部EXITしたので、私の
判断が正しかった。 リスクなくしてリターンなし。
Q: どういう経営サポート(Value-Add)をしたのですか?成果は?
A: 組織面の構築をサポートし、かれこれしかじかの成果を上げました。
Q:次に ○×という会社はあまりうまくいっていないようですが・・
A: かれこれこうだったので、こうしました。
(よくわかりました)
Q: 投資先のことはよくわかりました。次にディールフローはどうですか?
A: NILSの活動を含め、業界の経営者とのネットワークを構築したり、ブログを書く 等
認知度が高い。 案件は紹介だけでも十分なフローだ。
といったようなことです。
上記のように典型的な質問は、
・ディールフローについて
・投資判断について
・投資の経営サポートと成果について
・EXITの判断や方法論に関して
を特に集中して聞かれます。 私の年齢は31歳で一般的にビジネスマンとしてはジュニアなレベルに入りますが、年齢的なことをは聞かれることはありません。あくまで、投資の話なので、投資先のことをやどうやっているのか?といったところが中心です。
はじめは大変ですが、最近はだいたいわかってきたので回答も楽になってきました(英語も苦手なので・・)
上記の情報に関しては、業界の方にヒアリングして、裏づけ作業をしているようです。
最近、投資家候補の方から、小林ご指名でインタビューをしたい ということがありました。
よく聞くと、他の方から、 小林がキーマンらしい ということを聞いたそうで、会ったことないのでインタビューしたい ということでした。 (結構、嬉しかったりする)
投資家とお話すると、重要だと思うことは、
・何が正しく、何が間違っているか? という点を明確なディシプリンを持つこと
・事実の正しいディスクローズ。悪い情報も正しく開示し、なぜそうだったか、どうしていくか
ということを明確に伝えること
・投資スタンスの一貫性。 なぜ、投資し、どのようにサポートし、どのようにEXITするか?
というスタンスの一貫性。妥協しない ということだろう。
上記のようなことは、わかっているが、なかなか難しいことではないかと思う。
このようにいろいろなインタビュー等で、我々の能力評価をしていきます。
運用中のファンドも、4半期に一度、投資家に報告(プレゼン)をしています。
常に評価されているというプレッシャーを感じています。
プレッシャーを感じながら、中長期的な視点で投資するということをいかに達成するかがVCファンドにとって非常に重要なことだと考えています。