昨日、となる雑誌のWeb2.0対談シリーズが始まるのですが、なんと私が一番最初!ということでいろいろ90分間 対談してきました。
Web 2.0というのはいろいろ議論されていますが、個々のサービスや技術の集合体をさしており、組み合わさってできているものです。
VCとして、Web 2.0 を見る視点は、いくつかあるのですが、重要なポイントだけ書きたいと思います。
①イノベーション を生み出す投資スタイル
投資金額が10分の1で済む。 投資の発想を変える必要があります。
ネットバブル期には10-20億円資金調達し、華々しく登場するという会社があったと思います。 今はオープンソース等、 コストが劇的に減ったため、同じサービスを展開するにして、10分の1のコストで済むということです。
同じ金額で10倍の価値があるものができる という点 と、 コストが低いということはつぶれるリスクが少ない ともいえるわけで、積極的なリスクテイク、チャレンジができます。
以前は、バーンレート(現金が得るスピード)が重要な指標で、気になって仕方がないという時代でありましたが、 今はつぶれる心配はほとんどなく、 逆にイノベーションを促進するため、起業家にフリーダム(自由)を与えることができるのです。 この意味は大きいです。 投資先のマネジメントの仕方を大きく帰る必要があるのです。
例えば、GREE社に関しては、自分がユーザーとしてこんな機能があったらいいなとかは言うことはありますが、 原則 すべて お任せしています。若い力が最大限発揮することが重要だと考えており、 管理は不要です。 どんどんチャレンジしてほしいと思っています。
Web 2.0時代は投資は、 ローコスト と フリーダム によってイノベーションを生み出すことだと考えています。
②投資先を判断する上で重要なポイント
どういう会社が良い会社か? 1点目はオープンソースを活用し、システムインフラのコストが非常に低くなければいけない ということです。また、オープンソースのコミュニティのように外部の協力者とのコラボレーションをする仕組みが重要です。ソフトウェア開発会社の場合はオープンソースコミュニティであったり、 GREEのようなCGMの会社はユーザーがコンテンツを作る ということになります。
2点目は、 優秀な人材がいるかどうか、集まるかどうかです。 Web 2,0 カンファレンスでSocial Text のMayfield氏が雄叫びを上げていたのは、Web 2.0 は人が作るんだ!
ということでした。 意味するとこは、少数精鋭で大きなものを生み出す ということだと理解しています。 ローコスト かつ 優秀な人を集める ということは非常に難しいのdすが、 志やビジョンが重要です。 GREEは優秀な人が集まってきていますが、これは志がしっかりしているからだと思っています。
志 を高める という意味では、短期的なお金稼ぎのために受託開発をするといかはやってはいけない。 イノベーションは生まれません。 Googleのように特にかく好きなサービスを作りだすようにしないといけないのです。
3点目は、ユーザーの質です。
Web 2.0の投資判断で意見がわかれるのは、ビジネスモデルとして成り立つか?という点です。 私はビジネスモデルを気にする必要はないと考えています。ネットサービスは広告やEコマース、課金するといった収益源はシンプルです。組み合わせでしかありません。
ドリコムの内藤さんがデーターベースの質 が重要とNILSの時にいっていました。データーベースを作り上げるはユーザーであり、 ユーザーの質が重要だということです。ユーザーの質というロイヤリティが高いとか、可処分所得が高いとか、いろいろ定義がありますが、お金になりやすい という意味で使っています。
お金に変える手段は、アドセンス、アドワーズの登場のように今後数多く出てくると思います。 その出現にかけるのです。リスクなのですが、過去をふりかえると、必ず 出てくる。信じて投資するということがポイントです。
もちろん、VCとしては、次のアドセンスのようなサービスや技術に投資し、エコシステムを作るということが重要な仕事です。
まとめると、ローコストかどうか、優秀な人がいるかどうか、 ユーザーの質は良いかどうかという点です。
③Web 2.0 時代のベンチャーキャピタリストとして重要な資質
Web 2.0 は人が作る というMayfield氏が言ったように、人が重要です。つまり、ベンチャーキャピタリスト自身の能力が高いかどうがポイントです。 独立系とか事業会社系とか関係なく、 個人が重要になります。
世間一般では、Web2.0はVCは受難の時代と言われていますが、そんなことはないと考えています。 以前の10分の1で、大きなものを生み出せるようになったわけですから、小資本でイノベーションを生み出せる 世の中になってきたわけです。 VCの役割はそれを支援することです。 より生み出す努力をしていくということです。
良い会社は奪い合いになるとか、投資不要 ということになるのですが、投資する という発想をすて、 いっしょに作る という発想にならないと駄目です。
また、VC自身がWeb2.0化する必要があります。例えば、NILSは経営者のデータベースです。参加者にAPIを公開して、いろいろビジネスをする仕組みを提供しています。
人が作りだしているわけです。 NILSというカンファレンスですが、アウトプットとしては、
ドリコムさんのブログシステムが、GDOさんに導入されたりするわけです。
ベンチャーキャピタリストとして重要なことは、自らがWeb 2.0化することだと思います。