ニュースで話題のライブドア・マーケティングの買収手法の問題ですが、開示資料を読みました。マネーライフ社の株主は当時”VLMA2号投資事業組合”というファンドが100%保有する会社です。 その後、株式交換しています。
株式交換は株主総会の特別決議が必要です。 特別決議とは3分の2以上の賛成が必要です。我々の株式交換やキャッシュでの取引を経験していますが、どのように利用されるか実際の現場の話を書きたいと思います。
そもそも株式交換とは、こちらを参照ください。簡単に書くと、マネーライフの株式がライブドアマーケティングの株式になる ということです。つまり、マネーライフの株主であった”VLMA2号投資事業組合”がライブドアマーケティングの株主になります。
我々のような投資ファンドは、株式市場のリスク(株価が乱高下する)をとりたくないため、キャッシュでの買収を通常は希望します。 一方、株価が高い状況では、株式交換の方が有利であるため、ライブドア社のような成長企業は株式交換を好むケース多いです。
ライブドアの株式なんてもちたくない と思う人もいるし、そうではなく、ぜひもちたいという人もいると思います。 ライブドアの株主にない人たちはキャッシュでの買収を希望します。金額は確定します。 その場合、キャッシュでの取引を希望する人は例えば、現金で株式を買い取ってかってら、その後株式交換を行う といった作業を行ったりします。
また、株主数が多いと、株主をまとめる(つまり、誰かが買い集めて)から一括して譲渡するとった方法が効率的だったりします。
前置きが長くなりましたが、最後に株式交換の場合は、今回のライブドアマーケティングのように高騰する場合もありますが、交換後下がることがあります。 我々の場合も株式交換で下がったケースもありますし、上がったケースもあります。また、キャッシュと株式交換の2つ方法があって、キャッシュを選択しましたが、その後 市場が良くなり、株価 高くなった場合もあります。
さて、今回のケースですが、新聞の情報ですが
・”VLMA2号投資事業組合”は数ヶ月前にマネーライフ社の買収を完了していた。
・株式交換(10月25日)と株式分割(11月8日)をあわせて行い、株価の操作を行った。
・”VLMA2号投資事業組合”は実質的にライブドア社の傘下にあった。
単純に今回で一番儲かった人 というのは、”VLMA2号投資事業組合”ということになります。
”VLMA2号投資事業組合”がマネーライフを買収した といっても、マネーライフ社は未公開の会社ですし、買収したのもファンドであるため、開示する必要はありません(ないと思います。) ポイントとなっているのはインサイダー取引 というところなのでしょう。
粉飾決算のところは問題なので、事実だったら駄目です。
(後編はこちらに書いています)