日航社長に退陣要求 という記事があり、 ”内紛”という感じで取り上げられている。
そうだろうか? 社長の退陣を要求しているのは、取締役4名とある。取締役会 が社長を選任するため、 取締役メンバーが社長の退陣を要求するというのは筋の通った話した。 (ただ、部長などの署名というのは?と思ったりしますが)
大株主である糸山英太郎氏も自分のウェブサイトで退陣を要求している。
以下、引用。
私は、就任以来新町社長は年5-6回経営報告に来ていたが、その時々の報告・約束を思い起こすと共に、JAL及びANAの過去2年間の決算報告、業績予想 それらに伴うプレスリリースを丹念に読み直した。それらを通じて改めて分かったことは、JALの経営陣が如何に場当たり的な経営をしてきたかである。その 結果が、今期170億円の利益予想から470億円と云う大赤字、そして株主には死刑宣告にも等しい無配、への転落であった。私が問題とするのは、業績予想 である。多くの株主・投資家のみならず、社員も、その予想で株を購入したり、自分が働いている会社の現状を判断する。JAL・ANAは四半期ごとに業績発 表、業績予想見直しを行っている。今期の例をとれば、JALは平成17年5月9日、7月29日、11月7日、ANAは17年4月28日、7月29日、18 年1月31日に発表しており、その前後には新町社長が報告に来ている。結果は明白である。JALもANAも7月29日時点では業績予想見直しの必要なしと 云うことであったが、数ヵ月後にはJALは170億円の利益予想が470億円の損失と640億円の狂いが出たの対し、ANAは100億円の利益予想を 170億円の利益と上方修正した。新町社長は、その原因として原油高、反日デモ、バリ島テロ等対外的要因を挙げているが、7月29日時点では自助努力も含 め様々な収支改善策に依り、燃料高騰の影響は最小限に抑えられ、したがって見通しの修正は行わないと断言していた。新町社長に問いたい。8月から11月に かけて何か劇的な要因がJALだけに発生したのか。私から見れば単なる見通しの甘さでしかない。私は、結果として配当として受け取る予定の4億円がなく なったが、多くの株主・投資家を欺いたことは事実である。これでは、ホリエモンの行ったことと大同小異である。
私が調べたところ、2兆円以上の売上を立てている企業で赤字なのは三洋電機、三菱自動車そしてJALだけである。私は、業績悪化の会社を立て直した経営者 を思い起こした。例としては、日産のゴーン社長、ソニーのストリンガー社長、みずほ銀行の前田社長、そしてそごうを立て直した和田社長である。新町社長が 1月16日報告に来た際、復配は早くて2008年になるのでそれまで我慢して欲しいとのことであった。はっきり申し上げて私はそれほど我慢強くない。新町 社長に問いたい。上記経営者が会社建て直しに要した時間はどれほどであったか。このようなスピード時代に、3年も4年も無配で我慢してくれと云う経営者に 経営を任せる人がこの世の中にいるのか。
更にメディアの方々、JAL社員そして友人から指摘されるのが、社内問題である。それは新町社長が会社運営を執行役員YとHを取り巻きとして行っており、JALを非常に風通しの悪い会社にしているというのだ。複数の記者はその執行役員を実名で指摘した。
私は、新町社長の口から「あの人は・・・派、あの人は・・・派」との言葉を聞いている。この言葉を聞いてこの人にJALの経営は任せられないと思った。 JAL再建に最も重要なことは、全社員が志を1つにして目標達成に邁進せねばならないのに、会社トップがこのようなことを言っているようではまとまる訳が ない。
私自身、JALの組合には言いたいことが一杯ある。航空業がサービス業であることを理解しているならば、乗務員の配置はどうあるべきか、そう言った点では 組合の譲歩を強く促したいと思っている。会社再建の鍵は労使協調にあるが、新町社長の考え方、そして「役員報酬は20%以上カットした。株主には無配にし た。だから従業員も10%カットを認めろ」だけでは組合の協力は得られない。株主同様、従業員に対しても10%カットを3年間我慢しろと云うわりには、我 慢した後のインセンティブ、会社の将来像がまるでない。これでは、単に社員のモティベーションを下げるだけである。そのことが、整備等で問題を起こしてい る原因であることを新町社長は気が付いていない。
はっきりと申し上げたい。JAL再建は残念ながら新町社長のもとでは出来ない。今まで支援してきた私としては断腸の思いだが、新町社長の早期退陣、外国人 を含む新経営者の下での再建を提案する。JALがこのようになった責任の全てが新町社長にあるわけではないが、市場も社員も希望を持つことの出来る経営体 制になってもらいたい。新町社長が居座る場合、次回株主総会での議決権を会社側に与えることはしない。志を同じくする方々にはぜひ行動を共にするようお願 いする
上記の糸山氏のコメントは重みがある。 ポイントをまとめると、
①外部環境の責任にするな
JALの場合、ANAという同じ業界で同じような会社があるわけだ。テロで客が減ったとか、外部環境の問題はあるにして、ANAも同じであり、 業績の差、そして業績の予想の差が出ることは、 ”経営”の問題である ということになる。
ネット関係でも、ネットバブルが崩壊した等、外部環境の変化を理由に、IPOが遅れているなど あるかもしれないが、ネットバブル崩壊してもIPOしている会社は多くあるわけで、外部環境の責任にしてはいけないのである。
②経営改革の時間軸
糸山氏のコメントに 日産のゴーン氏などの例が挙げれている。優れた経営者はしっかり結果を残している。 経営者の評価と関係するが、 再建する時間 が経営者の評価を高める。
③経営幹部や社員からの求心力
これは重要であることは間違いない。 もともと組織文化的に起こりやすく、社長が変わったところで変わらないかもしれない。
学びがあり、重みのある糸山氏のコメントだ。
糸山氏はウェブサイトで、このような発言をするのは勇気のいることだが、素晴らしいことだと思う。 ウェブサイトは誰でも読むことができる。 続編が楽しみだ。
(ちなみに、私はANA派なので、 JALに関しては実はあまり興味ないです)