私が常に心がけていることは、観察力や洞察力を高めることである。ベンチャーキャピタリストは日々のマネージャーではなく、たまに取締役会に行く程度だし、投資を検討しても、会社のほんの一部しか見ることができない。 したがって、重要なスキルとしては、ちょっと見ただけでわかる力がポイント。 この力は経験によって養われるものである。経験も仕方も観察することが重要であるということを理解しないと、経験しても身につかない。
例えば、取締役会で何をみるか。 顔の表情、声のトーンなどである。例えば、社長が発言しているときに、他の人がどういう風に聞いているのか、とかである。信頼関係があるとかないか、、最近 業績が悪いとか、だいたいわかるものである。 私の場合、後でいろいろ問題が発生してから、あの時はこうだったと思い出すようにしている。VCの仕事は、いかに未然に問題を防ぐことにある。 問題から原因を調べ、様々な要因を理解することになる。
会社を構成するのは人である。 人を理解することで会社を理解することにある。 利益計画だったり、技術だったり、ビジネスモデルは次のステップである。まずは人を理解することが極めて重要だ。 逆ではない。技術やビジネスモデル、計画は人が作るものである。
例えば、計画を見るのではなく、計画を策定する人を見る。キレイなプランだな と思って、誰が作ったかと聞くと、外部のコンサルタントだったりする。 経営者は計画を深く理解していない。またプレゼン資料はよく出来ているな?と思ったときも、外部のコンサルタント会社が作成しているというケースがある。 この場合は、アウトプットは良いのだが、本質的に経営者や会社の能力ではない。 外部に頼むことは悪いことではないが、理解して考えているかどうかがポイントだ。