DeNA の 平成19年3月期 第3四半期決算説明会があった。資料を早速拝見し、自分なりにコメントしたい。 (まくまで私の見方です)
まず4半期ごとのセグメント別売上高の推移の表を見る。
(Source:IR 資料)
モバイル事業の成長が著しいことが一目でわかる。また、Webコマース事業もモバイル事業を比べると微増に見えるが前年同期比27%成長という数字だ。 Webコマース事業の業績のコメントは 「モバイル分野が売上の主軸に成長-ポケットビッダーズ、au Shopping Mallの取扱高が大幅に拡大-特にau Shopping Mallがプロモーション強化の効果もあり好調に推移」とあり、Webコマース事業といっても、「モバイル」コマースが主流になっており、セグメント情報 の「モバイル」とWebコマース のモバイルコマースを合算すると相当大きい数字になっている。(セグメントの分け方とか変えたほうがよいのでは?と思っ たりもします。)
モバイル事業の成長は著しい。 特にモバゲータウンから売上成長は素晴らしい。売上高は4半期で「倍」だ。1日あたりのページビューはミクシィのモバイルの2倍の2億ベージビューを達成したというニュースもあった。短期間でこれだけの売上貢献をするとは当初想像できなかった。(後ほど説明していますが、「連結・部門内消去」というのはポケットアフィリエトのモバゲータウンなど自社メディア経由の売上高のダブルカウント分と推定できます)
プレゼン資料の順番と前後するしますが、ポケットアフィリエイトの構造を見ると面白い。
以下の表はポケットアフィリエイトの売上高推移と自社メディアと他社メディアの比率だ。 他社メディアから売上高が下がっているという点が1つ目のポイント。チャートの作り方として全体が成長していて、特に下の段に自社メディアの成長が著しいため、わかりにくいですが、3Qで他社メディア向けのポケットアフィリエイト事業が初の減収である。 消費者金融を中心としたモバイル広告の落ち込みが影響したのか? といったところなのか? また他のモバイルのアリフィリエイトサービス事業社の業績動向も気になります。
2つ目のポイントは自社メディアの成長です。自社メディアというのは「モバーゲタウン」経由のものがほとんどと推定されます。 連結・部門内消去があるため、ちょっとわかりいでしょうか。
ポケットアフィリエイトという広告ネットワーク と 自社メディアのモバゲータウンがうまく組合わさったビジネスモデルは素晴らしいです。 しかし、逆にモバゲータウンへの依存度が非常に高くなっているという構造になっています。 以前は「モバオク」で注目を集めました。過去のIR資料を見るとモバオクの事業の売上推移は 1Q584百万円、2Qの売上高は599百万円、そして3Qは664百万円と微増といってよい推移となっています。
まとめると、モバオクは微増、他社メディア向けのポケットアフィエイリトは初の売上減少。補ったのが自社メディアのモバゲータウンといった構図でしょう。
IR資料にありますが、「送客プラットフォーム」 つまり、モバゲータウンがDeNAの利益の源泉になっているということが言えます。
モバオクが微増、ポケットアリフェイトの成長もモバゲータウン経由が成長の源泉となっているため、いかにモバゲータウンの成長力・競争力を維持・強化するかが重要な経営課題です。それがポータル化という戦略です。
Webの世界のヤフーではないですが、中核のポータルがあると強い。
若者は飽きっぽいということで、モバゲータウンも飽きてしまって成長が止まるかもしれないし、今後どういうサービスを継続的に投入していくのか?という点が非常に重要なポイントでしょう。