今回の出張では主にモバイルサービス関連のスタートアップ企業と意見交換することができた。 USは日本より遅れているという話をよくするが、そもそも遅れていると、遅れていないという議論というよりかは、端末性能の違い、文化の違いなど、USや日本はそれぞれ発展してきているという印象だ。 どちらが進んでいるという議論よりかは、なぜその違いがあるのか? 何が成功のポイントか?といったことを学び合うことが重要だと感じる。
- 日本の場合はモバイルサービスはiモードなどのブラウザを利用するサービスが大半であるが、米国の場合はアプリケーションサービスが主流だ。理由はキャリアの取り組み姿勢にある。
- 各キャリア・各端末ごと異なるため、アプリケーション開発の手間がかかるといったことや、3G端末や高機能端末が少ないといったことが日本と異なる市場環境だ。
- 現在、VCのモバイルサービスへの投資は加速しているそうで、バブってきいる感じだ。理由は3G端末などの普及が見込まれるようになったことが大きい。
- Loopt, Admob Mobio などの会社が出てきている。
- 現在の各社の取り組み状況は以下の通りだ。モバイル専業のサービスは若者向けにサービスを展開し、ユーザー数が伸びているようだ。一方、FacebookのようなPC系サービスのモバイル利用率はまだ低いといった実態だ。
- Myspace の続く第二位のSNSのFacebookはモバイル対応を開始している。ただモバイル利用できるキャリアは限定的だ。まだまだこれかたといったところ。日本のモバイルSNSの状況を説明したところ、衝撃を受けていた。モバイル利用率やページビュー、売上の規模感。どれも日本のほうが圧倒的だ。
- FunMobility は米国モバイル大手のサービス提供者だ。着メロや壁紙といった日本でいう一昔前に流行ったコンテンツを全キャリア(6キャリア)・ほとんどの端末に提供している。 モバイルの画像・動画を共有するSNSを展開し、ユーザー数もそれなりにいる。 若者が利用し、ユーザープロファイルなどは日本と同じような感じだそうだ。 サービス自体はそんな高度なものではないが、このようなサービスが流行っているというのは面白い。 また、全キャリア・全端末で利用できるのがポイントで、その技術のプラットフォームを強みにしている。
- Loopt はBoost というMVNOに組み込まれた形でサービスを展開。位置情報をもとに口コミ情報や近くの友達に連絡するなどのSNS的なサービスを展開している。 サービスは月額3ドルくらいの有料サービスを予定しているが、現在無料トライアル期間で10万人程度の会員がいるそうだ。サービスのターゲットは若者向けだ(CEOも21歳だし)。
- Mobio はWebのサービスをモバイルに展開するためのプラットフォームを提供する会社だ。 レストラン予約サイトのOpentable のモバイル・アプリケーションを提供している。 受託開発ではなく、リベニューシェア型で展開し、アプリケーションのメニュー(ポータル)をコンシューマー向けに展開している。このモバイルアプリケーションを開発し、提供する(集客する)といったことが差別化のポイントになっている。 先行優位性が重要のため、最近までステレスで開発していた。 キャリアの公式とかではなく、このような使い勝手のよいサービスが独自に展開している。
- 話に出た面白いサービスで既にご存知だと思いますがTwitter というサービスがあります。大流行だそうだ。SMS(ショートメッセージ)との連携なと、面白い。モバゲータウンなどもメールサービスが流行っていると思いますが、モバイルサービス上のメールサービス(通知サービス)が流行っているのが面白い。
- このようにこれから若者を中心にモバイルサービスの展開が本格化するという状況だ。専業で面白い会社がいろぃろ出てくるだろう。 Admobのようにモバイル向けの広告配信会社が登場したりおり、産業自体が次のステージに突入している。
- USのほうがキャリアの数も多いなど・・といった制約条件があり、アプリケーションになってしまうこととか、SMSが広く利用されているといった日本と前提条件が異なるが、若者がモバイルサービスを牽引することは日米の違いはない。面白い。
といったような感想でした。