急成長しているシリコンバレーのAdmob や 日本のグリー などの経営に(少し)関与することができてよかったことは、 アーリーステージの企業はまずは組織つくりをしっかり行うことの重要性だ。
特に、シリーズAという最初のベンチャーキャピタルからの資金調達の資金を何に投下するか?という点だ。 Admob にしても、グリーにしても人材採用に力をいれた。 Admobの場合はセコイアキャピタルから資金調達を行ったあとは、経営チームの組成だ。事業開発、マーケティング、開発、など、現在 マネジメントチームのメンバーに出ている人間でCEO(創業者)以外はシリーズA以降のメンバーだ。 まずは経営チームを完成させるという点だ。
グリーに関しては、グロービスから資金調達の後は、オフィスの引越しを行い、組織拡充を行った。 現在CTOの藤本さんが常勤になったり、CFOの青柳さんが加入したり、コアとなるエンジニアの方も増資後にはいった。 ビジネス的には大きな成長だったかというと今おもえばそうではないかもしれないが、組織の土台を築いたことが、 KDDIとの資本提携などに生き、そして現在500万ユーザーを超えるサービスを作るにいたった。
よくあるベンチャー企業のケースは、組織つくりも事業開発も中途半端になっているという点だ。
まず、資金調達額が少なく、売上をあげる仕事をしつつ、 組織もキャッシュにあわせて採用する。短期的に稼げるビジネスをしてしまうと、フォーカスもなく、ビジョンともずれ 、組織もつくれないといったケースに陥るのではないか?
大きく成長したいと考えるならば、初期の組織・チームの組成が極めて重要だ。
ベンチャーキャピタルから資金調達する上でも①組織固めの重要性を理解し、短期的な業績より、中長期的な視野で支援してくれるかどうか、 ②組織つくりに力をいれて、かつ予算 未達成でも1年ー1年半は大丈夫な資金調達計画か? といった点が重要だろう。
資金調達額が十分ではないと、途中でキャッシュショートした場合、赤字の会社には投資しない
とか、株価を下げろとか、結局 短期的な方向に流されてしまう。自転車操業では良い組織も良い製品・サービスも生まれない。
例えば、日本で初期に3億円という金額は大きい金額になるが、辛抱強く組織をつくるために
資金調達すべきだし、 それを支援するベンチャーキャピタルをつくっていかないといけない。
インフィニティ・ベンチャーズの経営においても、私がベンチャー企業に以前から言ったように、まずは良いチームを作る といったことを実績してきたつもりだ。 時間をかけても初期の良いチームを作る。 実績は後からついてくる。 ベンチャーキャピタルの経営は、良いチームを作る、良いコミュニティやネットワークを作る、 そして良い投資家に支援いただくことがポイントだ。 ベンチャー企業と何ら変わらない。
インフィニティ・ベンチャーズとしては、起業家に対して、まずは経営チームが重要だと指摘するならば、 自分たちが良いチームなのか? という点を自問することが重要だ。 幸い”インフィニティ・ベンチャーズは良いチームだ”と言っていただけることも多く、励みになる。
また、日本の起業家は世界を目指せ といった評論は無意味だ。 世界を目指せというのならば、まずは自分たちが世界を目指すべきだ。
われわれも田中を中心に中国のカバーがあり、 日本だけでなく、中国まではカバーしている。 IVSではシリコンバレーを含め、国際的な参加者となってきる。(まだ投資など全世界とはいえませんが・・・・)
経験があるかないかは人それぞれだが、やろうとしているか、実際にやったか といった点が重要。 そんなことを最近 考えています。