こんにちは。小林 雅です。
2016年1月9日・10日は社会起業家が集まるR-SICというカンファレンスに参加しました。3年連続で参加しましたが今回もとても刺激を受け、新しい出会いがありました。カンファレンスは単なるイベントではなく、コミュニティとして考えるべきであると僕は日々考えていることなのですがR-SICはしっかりコミュニティになってきていることは創業のときからサポートしているため、とても嬉しいことでした。
「ICCカンファレンスの運営チーム作りで心がけていること」も「コミュニティ・デザイン」という考え方ですがしっかり考えないとコミュニティは育たないと考えています。
よく「ボランティアのマネジメントに苦労している」とか「組織やチームの一体感がない」など課題を抱えている方は多いと思います。ICCカンファレンスの運営チーム や 登壇する方々は非常に良いコミュニティになっているのですが理由があります。運営チームも登壇者も同じなのですが「参加することが楽しい・快適だ」というものです。 登壇者の方するとどうのようなことが「楽しい」「快適」なのか? それは一緒に登壇する人が議論したいと思うようなメンバーを揃えることやテーマも議論したいような内容になっていること。さらには登壇者を対象としたパーティやイベントがあるなど工夫がされている点です。登壇する方にとって「学び」になり、「刺激」になるような時間になるように徹底的に考えています。また快適なのは案内が丁寧でわかりやすい内容になっているためです。UXとして優れていることが重要です。
これは顧客体験をデザインしていることなのですが登壇者の満足度が高いと結果としてリピート率が高くなるという結果になります。ICCカンファレンスにおいて登壇オファーの受諾率が85%以上になる理由はこのためです。リピート率の高さが定期的に集まることにつながり、「コミュニティ」を創ることになるのです。 コミュニティを創ることはリピートして定期的に集まることであり、それは優れた顧客体験のデザインをすることである。
これは登壇者だけでなく運営チームのマネジメントも同様です。運営チームとして参加することが「楽しい」「学びになる」「快適である」という顧客体験のデザインができればリピート参加することになり、定期的に集まることになる。それが運営チームのコミュニティになるのです。リピート率が高いことで運営のレベルも高いレベルで維持することができる。
逆に継続しないカンファレンスの運営チームは「つまらない」「学びにならない」「疲弊する」といった反対の特徴があります。 これはどのようにして起こるのかというと想像しやすいと思いますが、「作業だけをお願いする」「作業する時間しかない」「マニュアルなどが整備されておらず、現場が混乱している」みたいなことです。 受付だったら受付だけしていればよいとか、さらにマニュアルもなく「受付しておいて」としか言われない みたいなことです。
ICCカンファレンスの場合も「受付」になると受付の仕事をするのですが、シフト制になっていてセッションを聴講する時間があるとか参加者が参加するパーティにも参加できることやスタッフのキックオフパーティがあるなど工夫がされています。受付するための準備は手配をしっかりすることであとは現場で受付するのみ。もちろん「作業」の時間もありますが、それ以上に楽しさや快適さを感じるようなデザインになっている。
仕事というのは「楽しい仕事」と「つまらない仕事」にわかれますが僕の運営の場合はイメージ的には8:2くらいになっている。これはポジティブ・サイコロジーの書籍にでてきますが「ポジティブ比」と同様な考え方です。ポジティブ感情とネガティブ感情が3:1 くらいになっているのが黄金比と言われたりしています。ネガティブな感情をゼロにすることは難しいのですがその比率を意識してコントロールすることはできるのです。 僕は3:1の黄金比以上の高いポジティブ感情を実現するような体験のデザインをしている。そうするとちょっとのミスや失敗があっても吸収できるのです。
体験のデザイン と ポジティブ・サイコロジー というのはそれぞれ書籍になっているような内容です。カンファレンス運営を通じて学んだことはブランディングも含め、いろいろな要素を取り入れることで優れたコミュニティ・デザインを実現できるということです。
(続く)