という記事は面白い。 80%の持分は創業者のもので、20%のベンチャーキャピタル分はそのままということだ。
株式会社ゾーグ(本社:東京都文京区)は、PC/携帯電話向けユーティリティソフトを提供する株式会社ジャングル(本社:東京都文京区、代表:高田晃子)へ発行済み株式の80%を譲渡していたことが、3月12日ジャングル側の発表で明らかになった。
ジャングルは株式の譲渡元や金額など、発表以外の詳細情報については一切非公開としている。ゾーグ創業者の金澤氏も、現在既にゾーグ代表を退き、 全く事業には関与しない立場であることを明らかにしたが、今回の件の詳細についてはノーコメント。将来的には新たに独自サービスを立ち上げたいとの意向を 示している。
ゾーグでは過去2度の第三者割当増資(2006年6月のみずほキャピタル株式会社/オリックスキャピタル株式会社/株式会社荘銀ベンチャーキャピ タル、2007年4月の日本ベンチャーキャピタル株式会社)を実施しており、その後も金澤氏が持株比率の8割を保持していた事、譲渡前後の主要株主の比較 から、今回ジャングルが取得した80%の株式は、金澤氏より譲渡されたと推測される。
ゾーグは2005年12月の設立当初から、プロカメラマンや写真愛好家をターゲットに絞った招待制の写真共有サイト「Zorg(ゾーグ)」を運営 しており、開設初日に約280人の登録、開設15日目には約600人の登録があった。その後、2006年10月にはサイトを一般公開し、オンライン・スト レージ・サービス「Simple Storage Service(S3)」の導入/有料サービスなどを開始し、2007年8月時点で登録ユーザー数は約15,000人、共有されている写真画像数は約45 万枚に増えていた。
なお、過去の第三者割当増資のは以下のようなリリースがある。
- 2006/7/1 第三者割当増資と経営、運営体制強化のお知らせ
- 2007/4/26 オンラインアルバム『 Zorg 』が2007年4月26日(木)2回目の第三者割当増資を実施
第一回目で7000万円、第二回目で5019万円の調達。合計、12019万円だ。20%相当だということだ。第二回目は5019万円という端数があるため、2回目のほうが若干 時価総額が高いと思われるが、ざっくり、5倍として、約6億円という時価総額だ。1回目の第三者割当増資の前の資本金は2200万円くらいだった。
買収したジャングル社の資本金は2億円。企業規模はわからないが、たとえばこの買収で1億円の時価総額だったとしよう。80%だと8000万円。創業者の約6000万円のキャピタルゲインを得ることになる。 一方、ベンチャーキャピタル側は投資したより低い株価となってしまい、塩漬けとなってしまったという感じだろう。
投資契約や優先株式などで、このようなことは避ける必要がある。事業のリスクをとるという意味ではよいが、実際 スタートアップベンチャーの場合、創業者の力量にかけるところが多く、また、影響力も絶大だ。 その人がいなくなってしまうということ と 中途半端に20%の持分が残っても流動化は難しくなる。
実際、どのようになっているのか不明だが、投資契約も甘い契約だし、 取締役会は社外取締役もおらず、譲渡承認もおりた といったところだろう。
この場合、通常のベンチャーキャピタルの場合、創業者に対する責任問題とか追求するかもしれないが、 私の意見としては、創業者の一株主であり、株式を譲渡するのも取締役会の譲渡承認を得ればよいわけだから、問題ない。 インタースコープの創業者たちも次のステープでまた起業しているわけであり、次にやるということはすばらしい。
投資者側としては、
- キーマンクローズ
- 優先株式のよる残余財産分与権
- 創業者が売却するときに買取り または 共同売却する権利
といったところの契約が必要だった。 投資は自己責任である。