「CM効果はむしろ高い」--電通、HDDレコーダーのCM悲観説に反論 をCNETさんで読んだたので、電通さんの調査結果を見てみた。
NRIさんのレポートとかだと、HDDレコーダーが普及し、CMをスキップしており、広告価値が下がっている という論調に対する答えだ。
私のように経営コンサルタント、それも分析ばっかりやっていた人間から見ると、電通さんの調査は、そもそも、「テレビCMの価値は依然として高い」ということを主張するためにデータを揃えていると感じる(というかそうしないとまずいのでしょう)
①DVRによってCM認知は下がらないのか?
電通さんの調査結果をのエグゼクティブ・サマリーを読むと、
「DVRによってCM認知は下がらない」という主張の根拠として、
・CM認知率調査の結果、DVR所有者と比較し、DVR非所有者より、CM認知率は高い
・DVRユーザーは情報感度が高いということを考えると、テレビ広告のターゲットとして魅力的な層だ
という。
所有者と非所有者と比べてどうするのだろうか? DVRを保有するというは所得レベルは平均より高く、情報感度も高いし、平均より記憶力がよいと思われる。認知は高いは当たり前ではないか? ターゲットとして魅力的な層が、CMをスキップしたりするから問題だ という話なのに、 論理の飛躍でしょう。 また、広告をスキップしているかどうかに関してはまったくデータとして出していないのに不信感がありますね。
不足しているデータを統合して考えると、
・DVRユーザーは広告のターゲットとしては魅力的である(ことは正しい)
・NRIさんの調査結果では、DVRユーザーはCMをスキップしている人が多い
・電通さんの調査結果では、DVRユーザーはCM認知率が高い
結局のところ、DVRユーザーは、CMをスキップしているが、CMの認知率は高い。
つまり、一生懸命 テレビCMしているが、大半は無駄なのでは?(過剰に放送
しすぎているのではないか?)ということなのでしょう。
ということなので、
・CM認知率 といい点では変わらないのでは。
・広告費にお金をかけすぎているのでは。
ということでしょう。
②DVRはテレビを楽しむ人が、さらに楽しむ装置であるのか?
DVRはテレビを楽しむ人がさらに楽しむための装置であると、サマリー結果ですが、
おいおい当たり前でしょう・・・。 そもそも録画するために購入していうわけだから・・。
(テレビ見たくない人は録画もしないのでDVRは買わないでしょう・・)
ここまでテレビ万歳のレポートで書くと、レポートの質を疑います。
最後に個人的な見解を書くと、DVRユーザーのような魅力的なターゲット層にリーチする手段を考えると、インタラクティブなネット広告のほうが費用対効果は高いのではないか?ということです。 あくまで仮説レベルですが、テレビCMの認知 と 広告費のバランスが崩れているようにおもいます。
調査データは分析する人によって読み方は異なりますが、電通さんのレポートですが、
クオリティーに関して少々疑問が残る内容でした。