サンノゼ・マーキュリーのNet start-ups face odd problem: more VC cash than they need (会員登録しないと見ることはできません。無料です) という記事に対して、Daveさんが、ポスト産業資本主義社会のVC というエントリーを書いています。 Daveさんのエントリーでは解説があります。
Web 2.0 カンファレンスでのVC 2.0 のテーマはまさにこのような話でした。
ポイントはいかです。
That has put some start-ups in a tricky position. Many Internet entrepreneurs don't need the cash, because they're building products cheaply -- using open Web technologies, often with two or three developers. So in return, they're demanding that VCs have a lot more to offer than just cash.
``If you really want to have a seat at the table,'' Conrad says of venture capitalists, ``you've got to be involved at an earlier stage -- putting in little dollars, and then really work the deal.''
以前のネットベンチャーというのは、多額のシステム開発投資 と広告宣伝費をかけてるというモデルで、10-50億円調達し、 1年間 で消えました という案件が結構ありましたね。 なつかしい。
お金は少なくてよく、起業家はVCから資金調達するにしても相手を選ぶようになっているという時代ということです。 横並びではない ということも言えるでしょう。
SugarCRMの資金調達の例を見る
・2 August 2004: Sugar Sales 1.1 and SugarCRM Funding(ラウンドAは2 Million)
・February 15, 2005 SugarCRM Receives $5.75 Million in Series B Funding
・October 17, 2005 SugarCRM Receives $18.77 Million in Series C
というタイミングと金額です。 日本の場合だともともとUSと比べ、調達金額が少ないので、SugarCRMの資金調達の例を見ると、実は親近感がわきます。同じ感じです。
日本の場合は、シリーズC というのがなくて、シリーズCのときにはIPOしているというイメージです。ですから、IPOまでは5-10億円程度ということになります。
ラウンドAで、1-2億円 できれば全額出資するか、有力VCと半分づつ(GoogleのようにセコイアやKPCBの2社で投資する例) だし、 シリーズBの3-5億円はさらに付加価値の提供できる投資家とやっていく というイメージです。
付加価値というのは成長ステージによって求められるものが違います。例えば、グローバル展開しようというステージになったら、グローバル展開を支援するようなグローバルファームが存在したり、 投資銀行のようにIPO回りやM&Aといったサービスができる投資家も登場します。 ”付加価値”を提供できるか否かがポイントです。
日本の場合だと、どうしても安定株主だとか、取引先だとかを重視する傾向がありますが、守りの資本政策 と 攻めの資本政策 の違いと言えるでしょう。 攻めというのはより大きな成功を目指している ということであり、そのためには付加価値を提供できる投資家をもとめていく という姿ではないかと思います。
私としては、特徴だったり、提供できる付加価値をより高めるためにはどうしたらよいか?という点を常に考えるようにしています。
ポイントは、
①インダストリーの専門性・ナレッジ
例えば、オープンソースの流れをかなり深く理解している 等、かなり詳しいレベルになり、そして 業界全体の流れを俯瞰できるようになること。
②ネットワーク
業界のキーマン等との広範囲かつ深いネットワークを持っていること。
③マネジメントサポート
①と②から戦略面、実行面を支援し、 マネジメントチーム採用等を支援できること。
コーポレートガバナンス等のマネジメント仕組みを導入できること。
④お金のサポート
必要なときに必要なお金を提供できること。 特にタイミングが重要で、リスクの高い時に
投資決定できるかどうか。 そのためには①-③を持ち合わせないと、単に”様子を
みたい”ということになります。
⑤信頼性・トラックレコード(ブランド?)
知名度・ブランドといってもよいかも知れませんが、あのVCは凄い と思われるかどうかです。投資実績等をしっかり伝えていくこと等が重要です。 今の時代はブログという簡単に情報発信できる時代になりました。 ベンチャー企業にとっては投資することで成功の”お墨付き”となるような存在になるかどうかです。
以上、 いろいろと書きましたが、書いているのを読むと もっと頑張らないと駄目だなと思います。 理想のレベルにはまったく達していないので、すこしづづ頑張っていきたいと思います。