Web 2.0 カンファレンスの企画・運営面に関してまとめます。
会場、スケジュール、参加人数
今回参加者の人数は800人くらいらしく、人数多すぎでした。参加費が3日間で30万円くらいするイベントで、よくこんなに集まったな と思います。 参加者リストを見ると、経営者・幹部、VC、大手企業の担当者 といったプロファイルになります。日本人の参加者は10名程度だったと思います。
スケジュールとしては、3日間 朝8時半から17時くらいまで続くイベントです。1日ずっと出ているだけでもかなり疲れます。 休み時間は2時間に1回、30分程度です。 人数も多く、会場もパンパンであるため、リラックスすることがはできません。椅子も硬く、腰がいたくなってきます。
2時間の内訳は、5-15分くらいのスピーチが何人も続いたり、たまにパネルだったりと、一人一人の内容が一般的になりがちでした。初日の前半以外は1つのセッションをみんな聞くというジェネラルセッションだったので選択肢もなかったです。
対談とパネルの時にスピーカーはソファーに座ってゆったり話すことができる というのはいいなと思いました。 登場するときにも音楽が流れて、盛り上がった感じでよいです。
NILSへのフィードバックという意味では、
- 3日間 をフルに開催するよりかは、2日間(1.5日くらい)を年2回とかにしたほうが、同じ内容でも参加者の集中力を考えると良いと感じました。
- 会場・人数面 という意味では、 NILSのようにオフサイトイベントのほうが開放感があって非常に良いと感じました。 人数的にも150-200名にするのが良いと思いました。
- 複数選択できるほうがよい。 両方出席したいというものもあるが、興味がないものを聞く(OR 出席しない) よりかは、選択でき、しっかり出席できるほうがよい。
セッション
セッションの構成もあまり体系的ではなく、これは何のため?みたいなのが結構ありました。構成のレベルはあまり高くないように感じます。構成やテーマ設定は重要ですね。
セッションとしては、テーマをもったプレゼンが面白い。例えばインターネット・トレンドのプレゼンは資料はPDFでダウンロードできるし、話も面白くよかったです。 逆にフィラデルフィアの市全体を無線通信を提供するいうことで、CIOが登場しましたが、いきなりフィラデルフィアの町の案内のビデオちか見せられるのは、かなり寒かったです・・・。正直、Web 2.0と何が関連するのだろうか? と思います。
初日のワークショップだと、12社の6分間のプレゼンは面白かったです。もちろん、12社のうち、数社しか面白いと思うのはないですが、CEOの熱気、会場の盛り上がり、非常によかったです。いいサービスだと歓声があがります。
ヤフーのCEO等のトークライブは面白いか?というと、正直面白いと思いませんでした。モデレーターの質にもよりますが、やはり、 プレゼン資料をつかって今後どうなるか? みたいなことをプレゼンしていただいたほうが非常にわかりやすい なと思います。
パネルディスカッションはテーマにもよりますが、面白かったです。
NILSへのフィードバックとしては
- 注目起業家のプレゼン大会をやってもいいかも。6分×12社とか。
- テーマをもったパネル(対談) または、 単独プレゼン がよい。
- トークライブはあってもよいが、ずっと続くときつい。
ブログ、フォト、ビデオ、Wiki、WiFi
今回 一番の収穫は、ブログ、フォト、ビデオ が充実している という点です。 特に前者のブログ、フォト、ビデオは実に充実しており、凄さを実感します。Social Text
のWiki を使ってオフィシャルホームページを作るとか、実に面白かったです。
ワイヤレスLANの環境もあり、話を聞きながらPCを立ち上げてメールを打っているとか、写真をその場でアップしているとか、いろいろとありました。
NILSへのフィードバックとしては
- 写真だけでも十分価値ある。数名で分担して、デジカメとりまくって写真共有サイトにアップするだけでも価値がある。
- ビデオがあると何度も聞けてよい。議事録的なテキストデータがあるといいな。
- 各個人のブログに加え、感想やコメントを集約できる場があったよいな。Wiki でよいかも。
といったところでしょうか。 ただ、NILSはプライベートイベントであるため、オープンな運営をどこまでしてもよいか? という点がポイントになろうかと思います。 まずは参加者限定とかでやるとかでしょうか。
スポンサー
今回の協賛企業は、Google,ヤフー、MSNサーチ、ASK といったサーチ系勢ぞろいでした。 どうなるかというと、1日目のよるがMSNサーチ、3日目のカクテルパーティはヤフー といったように毎日サーチ系みないなのになります。 そして、セッションの内容もサーチ系の内容になったりします。 テーマとしてはサーチが盛り上がっているというよりかは、現在のお金が儲かるのはサーチ系なので、広告宣伝費を投じているという見方をします。 また、よくわからない会社のスピーチ がはいっています。
参加者としては、高い参加費(30万円)を払っており、関心のないスポンサーの話を聞くのはどうかな と思います。 関心のなる話であれば別なのでしょうが、なんでこの会社の経営者が? とか、 なんで、フィラデルフィアのCIOがいるんだよ とか思います。
テーマ設定にも関係しますが、参加者が聞きたいようなテーマ設定をするというのが基本だと思いました。 スポンサーよりになってしまうと、結局 参加者も聞いていなかったり、参加しなくなったりすると思いますので、結果としてはよくないように思います。
企業としては利益を追う というのは当然なので、協賛金を集めることがポイントになりますが、今のスキームでは限界があるように思いました。
USのカンファレンスはこんなもんだよ と言ってしまえばそれまでですが、 NILSを企画・運営する立場としては、いろいろと感じるところがありました。
雑感
このようなカンファレンスに参加できる という機会は非常に良い機会でした。カンファレンス以外のアポを含め、非常に充実していました。 このように密度を濃くする機会を持つというのはVCという仕事をする上で、非常に重要です。
幸運なことから、私はこのようなカンファレンスへの参加は海外は年1-2回程度。 国内はNILSで2回あります。 4半期に一回程度 機会があるということなので、非常によいサイクルかなと思います。
VCの仕事は、インダスリーの創造 していくことが重要であり、今後どうなるか?といったことを考え、発信し続けることが重要な仕事であると思っています。