投資先の経営者と個別ミーティングを持った。ミーティングというよりかは経営に関する雑談といった方が適切かもしれない。いろいろ議論することができた。
経営者は昨年の3大トピック(良かったこと)を話した。3つの中で、我々からの増資と私が社外取締役に入ったことが大きかった ということがあった。面白いのが、思っている以上に非常に良かった という感想だった。 良かったという点では、純粋に”成長”(株主価値最大化)を志向する人間がいることだ。パワーゲームなど関係なく、客観的にコメントする人間がいるという点で良いということだった。 また、複数の社外取締役を経験しているため、他で成功したこと、失敗したこと、成長ステージに応じた課題 など コメントすることができる という点だ。 また、我々のようなベンチャーキャピタルが株主にいることで、”認められた”という意識が社員も含め あるということだった。
ベンチャーキャピタリストが社外取締役に就任する意味は、株主はあくまで”ファンド”であるため、ファンドのアドバイザーである我々は、株主価値最大化=ファンド(投資家)のリターンの最大化のために、株主を代表する取締役に就任し、個人の責任をもって貢献することが求められる。経営は経営者の役割であり、社外取締役としての仕事は客観的に判断やアドバイスなどをすることだ。 良いものは良いといい、悪いものは悪いというのが仕事だ。 仲間同士だと悪いことをいうのは以外に難しく、時には感情的になるケースが多いと思う。
自分なりに社外取締役として気をつけていることは、
①成長志向(中長期的な視点)
業績や人(経営者や社員)の成長 といったことを意識します。成長はリスクを伴います。
ベンチャーキャピタル=リスクマネー であるため、私自身がリスクにナーバスになることを恐れます。 投資した時点でリスクをとるわけなので、成長を志向することが単純なように見えるのですが重要なことです。
成長が止まった場合は経営者を批判するのではなく、次の成長を必ず目標にする
といったネバーギブアップの精神が必要です。
②客観性と信頼性
客観性というのは、コンサルティング会社では例えばファクトベースの提案といったことに近いのですが、ベンチャー経営の場合は調査している時間はありません。したがって、過去の経験に基づく分析が重要になります。 スピードを意識したものになります。
あと、信頼される ということが極めて重要です。信頼されないと何を言っても駄目なので
自分の能力を高めるとか、いろいろやる必要があります。
この2つです。 成長といっても、お金がなくなってどうしようもない とか、 いくらやっても駄目だろう といった判断は当然ながらありますが、とくにかく頑張るということを意識します。
私自身の課題としては、投資先の取締役会に価値を提供できている会社とそうでない(足りない)会社があると思います。レベルアップして行きたいなと思います。理屈ではなく、経験の部分が大きいです。少なくても年間60回以上の取締役会には出ているわけなので、経験を積みたいです。