JAL経営陣との決別!パート2
世界の投資家はJAL筆頭株主の座を欲しがっている
というコラムがアップされた。今回もなかなか読み応えがある内容だ。
(以下、引用)
2月6日このホームページで新町社長退陣を提案したのだが、その後反響、各界の動きは私の想像をはるかに超えるものであった。JAL社員、株主、JAL利 用客、旅行代理店の皆様からプリントが間に合わないほどのメールをいただいた。JAL社員から受け取ったメールの殆どが実名であったことには感銘した。乗 務員、整備、地上職員そして海外勤務の外人職員から現場の問題点、そして閉塞感漂う社内の雰囲気に対し切実たる訴えがあり、改めてJALの現状を把握する ことが出来た。
そして2月14日思わぬことが発生した。JALインターナショナルの役員と幹部社員に依るクーデターである。この件が表に出た瞬間、あらゆるメディアが取 り上げ、私には取材が殺到した。新町社長に退陣要求をした後だけに多くの記者は、このクーデターの黒幕は私ではないかと思ったようだ。断言するが私は一切 関係ない。私の退陣要求が導火線になったことは認めるが迷惑千万な話である。決起した方々はJALの現状打破を真剣に考えての行動であったとは思うが、戦 略としては非常に稚劣であったと言わざるを得ない。国交省からは「内輪もめをしている場合ではない」との批判を受け、多くのマスコミは営業畑と管理畑との 権力闘争としか見ていない。私が、退陣要求のホームページにJAL再生の鍵は全社一丸となることと強調したが、今回の行動は権力闘争を助長することにしか ならない。行動を起こすとしたら、現経営陣が作成する「新5ヵ年経営計画」発表後、その対案を用意した上で行うべきであったと思う。社内の混乱を浮き彫り にした結果となった今回の行動を私は支持出来ない。
私の退陣要求に対する新町社長の反応に付いて問い合わせが殺到している。新町社長とは電話で連絡を取り合っていたが、昨日は余人を交えずワインを飲みなが ら2時間話し合った。私からは退陣要求をするに至った経緯を説明、社内の人間を操縦出来ない人間にJALの操縦を任せることが出来ないとし、改めて早期退 陣を促した。これに対し、新町社長からは報道と同様「再生計画を軌道に乗せるのが自分の責務」であるとして現時点では辞任の意思がない、とのことであっ た。また、JAL再生の舵取りを出来るのは自分しかいないとも言い切った。その自信は買うが、社内外との認識のずれに気が付いていない。また、40年組 (新町、羽根田、西塚)の代表取締役は各々の立場を理解しており、私が辞任しても社長をたらい回しすることは絶対にない、と明言した。新町社長としては、 「新5ヵ年経営計画」と新役員人事を今月末から3月始めに同時に発表、強行突破を図っているようだが、社内外の環境はそれを許すような環境にない。クーデ ター関係者に対し「共同責任ではないか」と述べている。私もそう思うが、それを社長自らが口にしてはいけない。親会社の社長・CEOと子会社の役員との権 限には格段の差が有るにも拘らず、責任問題だけ同列に扱うのはおかしな話だ。
早期退陣に抵抗する新町社長に「何時まで続投したいのか」聞いた。新町社長の 答えは「2007年3月末」とのことで、後1年再建が軌道に乗るまでは社長としての責任を果たしたいとのことであった。新町社長誕生に一役買い、その後も 応援団長であった私として大変辛いことだが、新町社長の要望を受け入れることは出来ない。新町社長には私が決めることではなく、取締役会、株主総会で決定 するべきものとし、赤字転落・無配である以上次回株主総会での議決権行使書は渡せない旨明確に伝えた。
退陣要求をした以上、後継者に付いて意中の人物がいるのではとの質問も多くあった。JALの現状を考えるとカリスマ性を持った経営者が必要だが、日本の経 済界を見回してもJALと云う特殊な会社の経営者にふさわしい人は殆どいない。カネボウ伊藤氏の二の舞だけは絶対に避けるべきである。私が、外国人を含む 新経営体制での再建と言ったことで物議をかもしているが、国際線比率の高いJALには外国人役員も必要と云うのが私の持論であり、今回の話はその延長でし かない。外部から受け入れが難しく、内部に傑出した後継者候補がいない以上、営業、整備、労務それぞれのエキスパートが役職に関係なくチームを組んで経営 に当たることしかないのか、と感じている。これには入社年度には関係ないが、社内融和を図れる人物であることが条件である。私が決める問題ではないが、求 められれば具体的な方策を述べることはやぶさかではない。私は、ホームページでの退陣要求、子会社役員のクーデターに便乗し、JALに影響力を持とうとする動きが政・官界にあることに不愉快な思いを持っている。 私は、数百億円の投資をし、兼子前社長の依頼もあり10年以上安定株主としてJALを支えてきた。ライブドア、村上ファンド、ドンキホーテ等の M&A戦略が大きな社会問題となっているが、私は敵対的買収に興味はない。それだけの投資をした以上、正当なリターンを求めることは当たり前だ が、JALの株を持ち続ける理由はJALを愛していることに他ならない。JALの株主でもない人が漁夫の利を得ようとするならば私は許さない。
続投に意欲を燃やす新町社長に一言申し上げたい。JALの現状に対する責任の殆どは前任者にあるが、現状を打開し、明るい将来を築くためには人心一新しか ない。サービス業である航空会社にとって最も重要なことは「イメージ」である。ここまで落ちたイメージを回復させるだけの力は、残念ながら貴方にはない。 不本意であると思うが、ここで綺麗に身を引くことを勧める。今後、一波乱、二波乱あるかも知れないが、今がJALのどん底であることは間違いない。ANA に特需景気を許すような状態から早急に脱却できるよう全社員の奮起を期待したい。
最後に世界の投資家から私の保有するJAL株を買いたいとのオファーが複数舞い込んできている。JAL経営者に私がここに述べたことを理解できないのならそれも選択肢の一つに加えることになろう。