Etech で IP infusion の石黒さんといろいろと話が出来たのが収穫だった。シリコンバレーの起業家側の話を聞けるというのは私の場合、滅多にないのため、貴重な機会だった。
現在のシリコンバレーの状況は、”EXITがない” ということだ。NasdaqへのIPOは非常にハードルが高いし、 M&Aといっても、Googleは以前のシスコシステムズのような数の買収はしない ということだった。 ギーク向けの起業入門 でも M&Aといっても Very very few potensial buyer という時代だということだ。
上記の背景として、石黒さんは、 Googleという突然 時価総額10兆円の会社が出来てしまった影響が大きいという指摘をしている。 価値をGoogleが吸収してしまっているという話だ。 石黒さんは、時価総額1000億円の会社が1000社 と 10兆円の会社1社では全然違うと。寡占化が進みすぎた ということだ。
日本のネット企業の場合はどうか。 ネット株価情報のネット系会社71社の合計時価総額は、2006年3月11日現在で 144,429億円だ。ソフトバンクが含まれているので、除くと約11兆円だ。 Googleと比べて、日本はバブルだ!という人が多く、単純にGoogleとネット系企業の時価総額と同じ というのは比較するのはどうかと思うが、1社で10兆円、70社で11兆円 の差は大きい。 USの場合は、Googleとまともに競争できるのは、Yahoo! 、Ebay , Amazn ,IAC の巨人しかいない。他は吸収される対象だ。寡占化がすすでいる。Nasdaq は、もはやベンチャー企業のための市場ではない。
現在、1.5年 20-30million にしよう というゲームなのだ。数は多くない。 たまにスカイプやマイスペースみたいな会社が登場するくらいだ。
日本の場合、勢力図が明確になってきているが、サイバーエージェントさん、GMOさんにししても、時価総額1000-1500億円のレンジだ。 ドリコムさんやオールアバウトさんのようにIPOしたら500-1000億円のレンジに達する。 こういう環境だと、競争が激しく、M&Aも競争になる。 IPOも活発だ。
日本の場合、テクノロジーベースの会社が少ないのが課題だが、時価総額500億円ー1000億円くらいの会社は年数社生まれる環境。M&Aも活発 という環境は非常に素晴らしいと感じる。 群雄割拠の時代は、イノベーションを生む土壌を作る。
日本でも今は少ない ”ギーク”系の起業家も今後増えるのではないかと期待している。
Google帝国主義は脚光を浴びているが、既に負の影響がでていることを忘れてはいけない。マイクロソフトと同様だ。 昔は他の会社から買って作ったMS-DOSの会社だったが、今はどうか。
私の読みでは、1年とか2年とかで、アドセンスを使わない! といったストライキみたいなものが起きるのではないか。
帝国ができる段階は、民衆から圧倒的に支持された帝王が生まれる。やがて、暴君が生まれることになるが、それを阻止する手段はない。 歴史から学ぶことは多い。
Googleを非難しているわけではないし、悪い会社だとも思っていない。今後どうなるか楽しみだ。