日本のVCの問題としては、新卒採用のベンチャーキャピタリストが多いということがあがられ、その問題というのは事業経験とか起業経験のない人間がベンチャー企業を支援でくるのだろうか? という話である。
私はアーサー・D・リトルという経営コンサルティング会社に3年ほどいましたが、当然ながら実業というわけでないし、2001年6月に転職した際は「第二新卒」なようなものです。
私の意見は、上記のような経験がない人ができるのか?という点に関しては、「関係ない」という意見です。 経験はあったほうがよいが、それがすべてではない。 いろいろな工夫をしたり、努力することで克服できる と考えています。私の場合、NILSのようなイベントを企画・運営していますが、別にイベント企画会社で働いたこともないし、旅行代理店にいたわけではありません。 自分一人で260名のオフサイトカンファンレスをどうやったら実現できるのか? ことから徹底的に研究し、実行するということを繰り返しただけです。運営やNILSに対する満足度は5点満点で4.8点という高い点数です。普通のイベントでこれだけの点数に達するイベントは私は知りません。
英語苦手でしたが、週2回ほど朝7時からマンツマーン英会話に通ったところ何とか話せるくらいにはなりましたし、英語で仕事することが楽しくなりました。BaiduのRobinが来日したときの通訳とかやったり、いろいろと面白い経験ができるようになりました。
投資の仕事は投資の経験はなかったですが、(1社目は損を計上しましたが)残り3社はプラスです。
経験なってあまり関係ない。実際、課題に対してどのように解決・実行・達成するかといったことを徹底的にできるかどうかだと思います。 ネットワークがない ということであれば、NILSのようなイベントを企画すればよい と思ったわけです。ただし、NILSのようなイベントは「あったらぜひ参加したい」と思うかもしれませんが、実際に実行するのは大変です。
結局、 経験よりも、精神力 とか 起業家精神とか、問題解決能力、人間性とか資質のところろが重要のように思います。 経験によってさらに磨きがかかり、仕事の幅が広がる。
私もようやく5年ほどたちましたが、いつもスタートラインだ と思っています。 自分が「できる」と自己満足になる前に、そもそも自分を何を成し遂げたいのか?を考えます。
話はかわりますが、2007年は「Launch Pad」という企画を本格的に立ち上げます。 ビジネスプランコンテンストみたいなものは多くあり、私も参加したことはもちろんあるのですが、 参加してよかったということ会はありませんでした。
しかし、 新しいベンチャー企業が成長するためにはこのようなビジネスプランを発表し、実際に資金を集めたり、事業パートナーと話を進める場は非常に重要です。USではDEMOなど専門イベントがあり、有効に機能しています。
投資の仕事をする上で、いち早く有望企業にアクセスできる場を持つということは非常に
魅力的です。
ビジネスプラン発表会とか、交流会とかの問題点は「質」の問題です。 ビジネスプランを発表する企業の質、 そして オーディエンスの質です。 プレゼンする企業はプレゼンしてメリットがあるのか?というところを重視します。 オーディエンスはプレゼン企業がよい企業か?という点です。 鶏と卵の議論ですが、どちらも良くないといけないという結論になります。
NILS版 「Launch Pad」はNILSで行います。NILSは参加者はネット業界を代表する企業の経営者ばかりを集めた会議です。また参加している投資関係者もセレクトされた方ばかりです。 プレゼンすると大きな事業機会があります。実際、ドリコムの内藤さんが2004年11月にプレゼンを行った後はいろいろとビジネスにつながり、そしてIPOにつながりました。 すでにオーディエンスも存在し、成功事例のショーケースもある。 これほど強力な武器はないのではないか?と思います。
成功に直結する「Launch Pad」 として立ち上げたいと思っています。 ポスター、パンフレットなどは作りません(無駄)。 広告費ゼロで、質の高いスタートアップをいかに集めるか?といった点にチャレンジしたいと思います。 審査員に有名な方を集めるつもりもなく、少数で効率よく判断するスキームを考えています。
経験はありませんが、実現に向けて徹底的に考える。ベンチャー企業の登竜門になる場を作る それが目標です。 プレゼンした企業からGoogleのような会社が生まれるようなものにしていきたい。