成功報酬型広告(アフィリエイト広告)サービスの大手 アドウェイズが2007年3月期の業績予想を大幅下方修正を発表した。ネット広告の市場動向も合わせて考察したい。
2007年3月期の売上高、そして利益の予想数値はともに大きな下方修正を行った。
(出所: IR資料)
半期の業績発表の
予想を見ると以下のような数字だ。上半期に関しては昨年度の2倍強の売上規模に達した。上半期(4-9月)の売上高は約26億円に対し、今回の下方修正後
の下半期(10月ー3月)の売上高は約22億円(48億円ー26億円)だ。上半期の売上高に対して縮小したことになる。 また昨年度の下半期の売上高も
21-22億円だった。つまり昨年と同じ水準だ。 固定費などの上がっており、下半期は赤字になるというものだ。
今回の業績下方
修正は、消費者金融のグレーゾーン金利の規制強化で、収益低下→顧客獲得コストを費用対効果最適化 に伴うものだ。 今までPPC広告も単価が高かった
が、おそらく全体として下がっている。 アドウェイズの資料は金融業界の一部企業とインターネット・モバイルサービス企業と記述されているが、消費者金
融業界および消費者金融の広告に依存しているインターネット・モバイルサービス企業の単価切り下げなどをいったほうが正しいだろう。
私も消費者金融業界は素人ですが、いろいろなニュースを拝見すると、グレーゾーン金利の部分が利益の源泉となっており、規制強化によって、店舗撤退とかリストラ策がいろいろと発表されているのがそういうことなのだろうということを理解している。
消
費者金融業界にとっては1名あたりの生涯利益を減少することが見えており、そのためのコスト最適化を急激に進めている。 テレビ広告などプライシングが決
まっているが、アリフィエイト広告やPPC広告などはクライアントである消費者金融企業が価格決定するため、このようなことになったのだろう。 ネット広
告は費用対効果が明確にわかるため、このような事態に弱いことが浮き彫りになったともいえる。 これはアドウェイズ社の経営の問題というよりかは、業界全
体の構造の問題であるといえよう。
一方、同じくアフィエイトサービスを展開するDeNA社のポケットアフィエイトの売上高推移を見ると、3Q(10-12月)も順調に業績が伸びている。 クライアイト企業の分散化されているといったことなのでしょうか。
今回の下方修正は同様にネット広告代理店など消費者金融業界向けの売上高が高いところは同様の修正になるのではないだろうか。
クライアント企業の構造変化をしっかり見極め、クライアント企業の開拓強化、収益源の多角化など行う必要がある。
DeNA
社とアドウェイズ社のビジネスモデルの違いが鮮明に出た業績予想そして業績発表だった。 成果報酬型の広告ネットワークだけでなく、送客プラットフォーム
を活用したメディア作りや ユーザー課金の仕組みをつくるといったことが業績安定化のポイントであるといえよう。
シンプルなビジネス構造ではなく、複合化・コングロマリット化がネット・モバイル業界のテーマではないだろうか。