主戦場は「広告マーケットプレース」に (by 湯川鶴章さん)
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広告マーケットプレースの利用が急に進みだした理由は、一つには技術的な側面がある。広告と関連のある媒体や広告枠をマッチングさせるターゲティング技術が向上したこと。取り引き処理プロセスを、より低コストで実現できるようになったことなどが挙げられる。
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この動きは当然のことながら、日本にもいずれ波及してくるだろう。日本の広告会社は、どう対処するつもりなのだろうか。
何人かの大手広告会社の関係者と話してみたが、どうやら業界関係者は広告マーケットプレースが広告業界の究極の姿であることは早くから認識してい たようだ。ある関係者は、いずれ広告の取り扱いも、金融商品の取り扱い同様にポートフォリオを組んでインデックスと比較しながら、トレーダーが頻繁に売買 を繰り返すようになるのではないか、と指摘する。この人物は、広告業界の未来を先取りするために金融工学の研究を続けているという。
とはいうものの米IT大手傘下の広告マーケットプレースが日本に進出してくる前に、広告会社自らが広告マーケットプレースを築こうという考えはな いようだ。できるだけ長く現状の仕組みを維持したい、できれば広告マーケットプレースが引き連れてくる新しい時代にソフトランディングしたい-。既得権者 にありがちな本音だろう。そうした思いとは関係なく、広告マーケットプレースという黒船はいずれ日本にも押し寄せ、日本の広告業界、マスメディア業界に大 騒動を引き起こす。今はそんな気がしてならない。(湯川鶴章)
広告マーケットプレイス は黒船か? マーケットプレイスを成功させることは難しい。鶏と卵の議論が常にあるからだ。参加する媒体がない と 広告主もつかなない。広告主のいないAdネットワークに参加するサイトはない といったところだ。
正のサイクルが回ると急成長するのマーケットプレイス型のビジネスモデルだ。リスクとって先行してやるかどうか といったところが勝負のカギだ。