日本のベンチャー企業はシリコンバレーと異なり資金調達額が少ない ということ と ベンチャーキャピタルが投資するお金が少ない ということに関して感じたことをまとめてみます。
ソフトウエアを開発しているベンチャー企業がありました。 エンジェルからの小額の資金調達のみで数名で時間をかけ、ソフトウエアを開発していました。 マーケティングフェーズになって資金調達を考えました。 理由は創業者のシェアを失うという点です。 成果を出してから資金調達をしたほうがValuationを有利だと思われからです。 少数のチームで開発するということは固定費も少なくてすみます。
どのようなことがおきたか? 開発していたソフトウエアは当初は誰も考えていないモノでしたが、時間がたつにつれ、代替技術が登場したり、 なんとGoogleのような巨人が参入するといった話になります。
社内の開発目標は達成したが、結局 外部環境から見ると厳しくなってきているわけです。
最近 Admobの仕事をしているとマインドセットが大きく違う点があります。それはスピード感です。グリーやリサイクルワンといったスピード感あふれる会社は存在しますが、やはりスピード感を重視している会社が少ないように思います。
5人で2年 (120人月)かけたほうが低コストで良い製品ができるかもしれませんが、競争環境を考えると、20人×8ヶ月(160人月)で同じものができるのであれば後者のほうが勝つ可能性が高いわけです。 人数が落ちると生産性が落ちるため、160人月とか多くの人月がかかると想定されますが、コスト より 得られるリターンを考えるべき だいうことです。
シリコンバレーの場合はVCも起業家も多いわけなので、供給側が多いということもあります。Googleも含め、それより早く、すばらしい製品を投入し、そして多くのユーザー・顧客を獲得し、GoogleなどにEXIT(売却)する とか IPOを狙う といったシナリオです。
上記のようなはじめたから20名とか開発体制で勝負する というのは多額の資金が必要です。
ただし、小額でリスクをとらないやり方をするのはリターンが少ない(大成功するかもしれないがそれは確率が低い)。
コンセプト段階かつ数名の創業チームがいる段階で3-5億円 あるのと、3000万円ではできることことが10倍異なります。 はじめの差は大きい。 そんなことを感じました。
VCとしても3000万円を50社にアーリーステージに投資するよりかは、3億円×5社に
投資したほうがはるかにリターンが高いように思います。 もちろんベンチャーキャピタリストの
力量にもよりますが、私が投資を担当するならば3億円×5社のほうがリターンが高い
でしょう。5社というのはリスク分散できていないのでは?というのはありますが、勝負の心をもつには5社で必ず勝つという背水の陣で戦うのが成功確率を高める上で重要ではないかと思います。
3000万円×50社だと、さすがに1社あたりの時間は少ないですし、一社駄目でもまー仕方がないという発想になりがちです。 起業家というのは1社に専念し、リスクをとっているわけですから、いっしょの船にのるベンチャーキャピタリストも同じようなリスクを背負ってがんばるべきなのではないかと思っています。