ベンチャーキャピタルなどからの資金調達に際に留意する点を書きたいと思います。ベンチャーキャピタルの投資契約の中にある会社または経営者が、株式を買い取るという条項だ。重大な契約違反の場合はこのような買取請求や損害賠償といったことは当然あることなのだが、ファンドの満期までにはということで、買取請求みたいなのがあるのだ。
また、買取請求が投資契約に入っていなくても、責任とって買い取ってください という話が通常のベンチャーキャピタルでは一般的だ。 このようなベンチャーキャピタルの行動はベンチャー企業側から見ると、リスクといっていないじゃないか? とか、そもそもリスクマネーじゃない といった批判につながるのだ。 これでは起業家側 と ベンチャーキャピタルは こちら側 と あちら側 といったようにテーブルに座る席が違うのだ。
私の考え方は、起業家や経営チーム と ベンチャーキャピタル との関係は”パートナーシップ”であるべきだ という考えに基づいています。
私はLLP(有限責任事業組合)を運営しているのですが、 LLPの制度の中に、利益の分配比率を自由に決めることができます。つまり、出資比率が1:99 でも利益の分配比率は20:80とかにできるということです。1%の出資でもその人の能力やコミットメントに対して20%の利益を分配するというものだ。ベンチャーキャピタルの構造もジェネラルパートナーは通常ファンドの1%を出資する。そして、Carried Interest (日本語では成功報酬となっているが、正確には報酬ではなく、1%の出資分に対する利益配分である)というキャピタルゲインの20%の利益配分を受ける仕組みも同様だ。
起業家や経営チームはは資金ではなく、その才能やコミットメントを提供し、そしてベンチャーキャピタルはお金とさまざまなノウハウを提供し、 共同で事業を起こすというパートナーシップでである。 ベンチャーキャピタルは事業の可能性や起業家・経営チームを評価し、利益の配分比率、つまり、出資比率を決め、パートナーシップを組むのである。
たとえば、起業家は1万円の出資し、ベンチャーキャピタルが1億円の出資をする。共同で事業を起こすが、利益の配分比率=出資比率を50:50にしようということ話になる。時価総額に直すと増資後で2億円となる。 その時点のValuationの正当性を論じても意味がなく、結局のところ、パートナーシップを組み、どれだけものを実現したいのか?ということにある。
昨晩はDeNAの川田さんと焼き鳥を食べていたのですが、ベンチャーキャピタル論で盛り上がりましたが。DeNAの創業は99年である。時価総額は2000億円(くらい?)である。資金調達額は30数億円といったレベルです。 比較対象としてGoogleを出しました。98年創業でセコイアキャピタルとKPCBから30億円くらい資金調達しました。 時価総額は20兆円(くらい?)
実は同じような時期に同じような金額を集めて、実は100倍の時価総額が違うのだ。
結局、才能にかけ、大きなものを目指すことがベンチャーキャピタルの仕事であると思っています。 時価総額を追求するとバブったりするわけですが、大きなものというのは事業の面で大きなものを目指すという意味です。
日本ではいろいろとハードルはあるかもしれませんが、パートナーシップ型の投資スタイルを確立していきたい! (ので、がんばってファンド設立します)