シリコンバレーで説明した最近の日本のネット業界、モバイル業界のプレゼン資料の中で一番インパクトがあった内容というのはミクシィの業績の伸び悩み と モバゲーの継続的な成長だ。
メッセージとしては、日本の主要SNSのページビューはモバイルにシフトしていて、モバイルでのマネタイズ(アバター、広告など)の優劣で業績の差が出ているのものだ。 また、Alexa ランキングをみると、Youtube や ニコニコ動画の勢いは継続している。 動画関連のサービスは引き続きホットなエリアである。
毎回 シリコンバレーを訪問する度に資料をつくっているので、半年前のAlexa (日本)と比較した。Youtube と ニコニコ動画がランクアップしていることがわかる。 動画系サービスのホットなエリアである。
そして、ミクシィの10-12月の第三4半期のIR資料 から数字を引用し、メッセージをつけて解説したいと思います。
まず、以下は4半期の業績推移ですが、トップライン(売上高)の成長率が鈍化していることがわかります。直近の2Qから3Qにかけての鈍化が特に目立ちます。
その理由はモバイルのページビューの急増にあります。広告単価を比較した図があるのですが、1ページビューあたりの広告単価はPCとモバイルを比較すると、約6倍の差があります。つまり、トータルのページビューが伸びていても、単価の低いモバイルでのページビューが伸びているということもあって、トップライン(売上高)が伸び悩いる ということになります。
わかりずらいですが、濃いオレンジがモバイルのページビュー、薄いほうがPCからのページビューです。3Qではモバイルのページビューのほうが多くなっています。一方、トータルのページビューは伸びが止まっています。
以下の広告単価の推移のようにPCでの単価は順調に上がっていますが、実際モバイルのページビューが伸びており、単価が6倍違います。 トータルのページビューは変わらず、中身が変わっているわけですが、トップライン(売上高)が伸び悩みのわけです。
DeNAのモバゲータウンの売上構成を見ると、アバターといたデジタルアイテムの売上高が約40%くらいあり、多くの利益を生み出しています。 ミクシィの場合は広告に依存しており、このような業績の伸びとなったといえるでしょう。
そのため、ミクシィはアバターなどのモバイルのデジタルアイテム事業を力をいれようと取り組みをしているというのがIR資料からわかります。 DeNAの後追いになりますが、ユーザー数の規模が大きく、十分な収益のポテンシャルがあるでしょう。
私のGREEユーザーでPCとモバイルの両方を使いますが、自分の経験上、日記を書くとかPCをつかったほうが楽なため、PCで書きますが、ほかの人の日記を見るのはモバイルで十分です。 ページビューを稼ぐとは日記を読むとか人のコンテンツを読む際のものですが、ミクィシもPC中心の伸びてきたのが、日記を読むなどがモバイルにシフトするのは当然です。
一方、モバイルのページビューが増えたところで、収益化(マネタイズ)するのが難しいというのが現状です。
ミクシィのようにPCで流行したサービスがモバイルしましたが、その代わりにYoutubeやニココ動画といった動画系サービスの伸びた著しい。 Youtubeもやがては動画を見る部分ではモバイルが中心になる可能性がありますが、動画は大きな画面で見たほうがみやすいということもあり、今後のPC/WEBのサービスの中で重要な役割を果たすことがわかるでしょう。
インフィニティ・ベンチャーズとしても投資分野としても動画関連サービスも注目しています。
一方、元 シーエー・モバイル専務取締役 の小野さんが参画したことで、モバイル分野の会社 や モバイル分野を強化したいウェブ系のサービスの会社の方から多くのお話をいただくようになりました。 サービス開発からマネタイズといったところまでしっかり考え、実行していいく必要があります。(そういう意味ではGREEはモバイル分野への転換は非常にうまくいった事例でしょう)
インフィニティ・ベンチャーズ・サミットの上記のような動向をもとにセッションを組み立てていきたいと考えています。