「新銀行東京」(東京都千代田区)が再建計画の柱とする新たな投融資・保証業務(年間約600億円)のうち、中小企業向け一般融資(担保・保証付 き)以外の審査を外部金融機関などに委託することが分かった。委託割合は、主力商品だった「無担保融資」を含め、顧客審査の約8割(金額ベース)に上る。 審査の外注は極めて異例で「銀行の体をなしていない」との批判も出ている。【三木陽介、村上尊一】
同行が2月に公表した再建計画によると、1年間の投融資・保証の内訳は、(1)ベンチャー企業向け融資100億円(2)ベンチャー支援などのファ ンドへの投資100億円(3)中小企業向けの一般融資(原則担保・保証付き)150億円(4)中小企業向けの小口融資(無担保、上限1000万円)50億 円(5)別の金融機関が行う融資に対する保証200億円--となっている。
このうち、融資の可否などを決める審査を「自前」で行うのは(3)の担保・保証付き融資だけになる。(1)、(2)はベンチャー企業向けの投資を専門とするベンチャーキャピタル▽(4)はノンバンク▽(5)は信用金庫--などの審査力を活用する計画だ。
同行では、05年4月の開業から今年1月までの融資・保証実行額2586億円のうち約11%の285億円が焦げ付いている。大半が中小企業向け無担保・無保証融資で、融資担当者がコンピューター審査に頼ったずさんな審査をしていた。
外部委託は、実績ある金融機関の審査力を借りて焦げ付きなどのリスクを抑えるのが狙いだが、提携先については決まっていないという。新銀行東京は「今後ノウハウを蓄積していけば自分たちで審査できるようになると思う」と話している。
そもそも審査を外部委託するというのはすごい発想だ。 新銀行東京に400億円の追加投資をするではなく、東京都が直接 投資したほうがコストが安いように思います。 ベンチャーキャピタルファンド とかバイアウトファンドに投資する場合、マネジメントフィーが年間2-2.5%くらいで、成功報酬もキャピタルゲインの20%だ。 ほかの銀行の審査ノウハウを活用するということは、基本的に同じような融資基準となり、差別化できるのか? 横並びと自ら言っているようなものだ。
ベンチャー支援のファンドへの投資ってどこに投資するのか?という点が大変興味深い。