情報技術(IT)分野は韓国経済を引っ張る主力産業の一つだ。 ところがこの分野での新規の起業件数が急速に減少している。IT関連の法人設立は2005年には3941社だったのが、06年には3842社、07年には 3380社にまで落ち込んでしまった。この結果、政府の認証を受けた新技術を保有する中小企業という意味でのITベンチャー企業も、05年には7563社 だったのが、07年には5945社へと大きく減少した。失敗のリスクは大きいが、その一方で高い収益率が期待できることからベンチャー企業に投資を行うベ ンチャーキャピタルも、02年の438社から昨年は246社にまで減少した。
(中略)
さらに深刻な問題は、IT分野での起業件数の減少が一時的なものではないという点にある。2000年代初めの時点では、MP3プレーヤーやオンラ インゲーム、オンラインコミュニティーなど、一歩先を進んだ技術やコンセプトで注目を集めたベンチャー企業が少なくなかった。しかし最近はそのように将来 性をうかがわせるような企業はほとんど目につかない。そのためIT業界ではこのような現象について、数年前から国家的な問題とされてきた理工系学生減少の 結果であり、この分野に優秀な人材が集まらなくなっているのがその原因だと指摘する声が大勢を占めている。国際的なソフトウエア業界団体のビジネスソフト ウエア同盟(BSA)は昨年の報告書で、「優秀な研究者やエンジニアの不足と高齢化で、韓国IT産業の見通しが暗くなりつつある」と指摘した。
このような状況で政府により打ち出された対策が、創業資金の支援規模拡大という程度にとどまっていては、IT産業の危機を克服するには不十分だろ う。過去に政府によって行われたベンチャー企業の活性化政策は、一部の詐欺師たちが私腹を肥やす結果に終わっただけで、投資家や国家経済には莫大(ばくだ い)な損失を負わせてしまった。今回は同じ過ちを繰り返してはならない。人材養成に向けた計画など、ベンチャーの活力を取り戻すことのできる、国家的レベ ルでのより総合的な対策を打ち立てる必要があるのだ。
韓国の状況は厳しいようだ。 日本も理工系離れなどの指摘されている問題だ。ベンチャーキャピタルも実際投資活動している社数は増えていないのでは?と思います。銀行の統合でベンチャーキャピタルも何社か統合されたり(例:三菱UFJキャピタルは確か3社統合された)している。独立系は増えていないのでは?
ただ、ジャフコ、NIFSMBC といった大手VCは以前紹介したように昨年度まで投資を盛んに行ってきたため、トータルの投資されている金額は多い。これは株式市場の好調が要因だった。韓国の状況は気になります。