アナリー・サクセニアン氏の最新書「最新・経済地理学」はベンチャーキャピタルや産業育成とかに関係するにとって必読書だ。もちろん起業家として読んでも面白いだろう。
アナリー・サクセニアン氏は、「現代の二都物語」というシリコンバレーとボストンというハイテク産業の集積地の比較分析を行い、シリコバレーの反映を的確に表現していた。
その著者が、今回はインド、中国、台湾、イスラエルの台頭にフォーカスし、分析を行っている。
「世界経済のダイナミズムは、大企業、政府、巨大資本ではなく、アントレプレナーシップから生まれる」という言葉が本の帯に記載されている。 残念ながら日本はインドや中国、台湾、イスラエルとは反対の事例で出てくる。
台湾の半導体産業は、シリコンバレーで働いていたエンジニアが帰国した創業したのが歴史のはじまりだ とか、 イスラエルも インテルで働いていたイスラエル人が、帰国して大学の教授になろうと思ったいたが、優秀な人間を引き止めるためにイスラエルに研究所を1974年に設立したことだったとか、 そのような事例が満載だ。
中国にしてもBaidu(百度)のRobin Li さんも帰国組だ。 このような人材が還流する点をとりあげている。
非常に示唆に富む本である。