CNET 躍進する中国最大のビデオ共有サービス56.com--YouTubeと異なる強みと戦略
Admob, GREE と続き、これまた関係先の56.com のJay の記事がCNET さんに掲載されております。Jay も札幌のIVS に声をかけたのですが、ちょうどIntel Capital のイベントがシリコンバレーであるそうで、また次回ということでした。
面白いのは以下の記事かと思います。実際 ビデオ共有サイト と コンテンツホルダーの提携例という点では面白しろい流れです。
コンテンツホルダーとの提携の例では、最近NBAとNBA.56.comを 展開する発表をしました。実は、NBAのバスケットは中国で一番人気のあるスポーツのカテゴリーです。NBA自体も、今後中国市場を広げていくために現地 でのリーグ構想があるなど、積極的な動きがあります。56.comは、中国で唯一のオンラインビデオのパートナーとして、タイアップしていきたいと思いま す。
これは著作権としてはいい事例だと思いますが、何が起きたかというと、まず56.comとNBAの関係ができるまでは、NBAのコンテンツは野放 し状態で、競合サイトでも違法なコンテンツが流れていました。56.comがNBAとタイアップするときに何をやったかというと、まず自分のサイトから違 法コンテンツを全部削除しました。そして、メインのコンテンツを全部オフィシャルなコンテンツに切り替えたのです。それと同時に56.comとNBAが組 んで、他のサイトにあるNBAの違法コンテンツを削除するように動いた結果、違法コンテンツの流通が減って、56.comを通じたオフィシャルなコンテン ツがユーザーの手に渡るようになったのです。こうした例も、YouTubeと非常に違うところだと思います。
実は、こういったコンテンツを扱うにあたって、コンテンツのライセンスホルダーと組みやすい背景が1つあります。56.comは、テレビ番組など を許諾なく違法にアップロードしたコンテンツよりも、ユーザーが自分で作るUGC(User Generated Content)コンテンツが圧倒的に多く、全体のビデオの中で8割も占めています。これはどの国内競合と比べても、またYouTubeと比べても非常に 高い数字だと思います。
そうなると、実際に提携する前のNBAや湖南テレビのコンテンツは56.comとしては2割の部分、つまり全体の中ではボリュームの少ないほうの コンテンツなので、この部分に対してコンテンツホルダーと組むことにより、まず違法なものを全部削除してしまったとしても、コアなビジネスにはほとんど影 響がありません。ですから、思い切ってこういうコンテンツホルダーと組んで、違法コンテンツを削除しても前に進める力を持っているわけです。
ところが、56.comの競合のほとんどはUGCは少なくてテレビ番組のコピービデオばかりなので、彼らが同じようなことをやってしまうと、コア のトラフィックが著しくなくなってしまいます。そのため、コンテンツホルダーと組むような思い切ったことができないという問題を抱えています。 56.comがコンテンツホルダーときちんとした関係を持てるのは、UGCがコアでここに力があるから、こういう余裕を持った新戦略ができるのです。