最近のベンチャーキャピタルの動向を見ると面白いのは、プラットフォーム上で動くアプリケーションに特化したベンチャーファンドを プラットフォーム企業との共同で立ち上げているケースが増加しているという点だ。
以下、3つの事例をあげます。
- iFund - iPhone のアプリケーション特化ベンチャーファンド
- 運用者(General Parnter) : KPCB
- 投資家(Limited Partner ) :Apple (USD 100M =100億円強
- TechCrunch 記事
- Crunch Base
- BlackBerry Partners Fund - BlachBerry のアプリケーション特化ベンチャーファンド
- 運用者 JLA Ventures と RBC Venture Partners
- 投資家 Research In Motion と Thomson Reuters (USD 150 M= 150億円強)
- TechCrunch 記事
- fBfund - Facebook のアプリケーション特化シードファンド
- 運用者 Facebook
- The investment committee will be comprised of Mark Zuckerberg, Facebook founder and CEO, and Chamath Palihapitiya, Facebook vice president of product marketing and operations. Facebook board members Jim Breyer (Accel Partners) and Peter Thiel (The Founders Fund) will also be part of the committee.
- 投資家 Accel Partners and The Founders Fund(の運用するファンドの一部を割り当てる形式。) USD 10M =10億円強
- TechCrunch 記事
- 「同ファンドの規模は、$10M(1000万ドル)(AccelとFounders Fundからのもの)。Facebookアプリ開発を専門に手がけるスタートアップ企業各社に対し$25,000(2万5千ドル)か ら$250,000(25万ドル)程度の補助金を提供。同ファンドから補助金の提供を受けたスタートアップ企業の最初の資金調達ラウンドにおいて、 Founders FundとAccelは第一先買権を有する。」
- 運用者 Facebook
iFund と fBfund の2つを比較すると面白いのですが、Apple の場合はApple自体が資金を拠出し、一流ベンチャーキャピタルであるKPCBとタイアップしている。 Facebook の場合はFacebookに投資しているAccel とFunders Fund の2つのベンチャーキャピタルとタイアップしている点があります。 前者のiFund はすでに何社か投資していますが、通常のベンチャーキャピタルように数億円の投資を実行し、大きなビジネスを作るという取組みをしています。一方、fBfund はシード特化で、その中から成長したものをAccel やFounders Fundが優先的に投資するというスキームです。
iFund の投資先はCruchBase を見ると3社あります。 ngmoco, Pelago, iControl です。ngmocoはEAのスターゲーム開発会社が設立したiPhone向けのゲーム会社。Pelago はLooptみたないソーシャルネットワーキングサービスや地図やGPSと連動したサービス、iControllはホームセキュリティのサービスを提供する会社のようです(iPhone の動画で家での状況を確認するとか)
さて、うまいくのか?という点ですが、Facebook や iPhone の成長 に依存はしますが、ある一定の成果を上げるのではないか?と思っております。 理由としてはFacebookもiPhone もAccel やKPCB という一流のベンチャーキャピルファームとタイアップしているという点があるでしょう。
日本の場合、事業会社がベンチャーキャピタルを立ち上げるということが一般的です。ベンチャーキャピタル(ファンド形式)ではないが、バランスシートからの投資も一般的だと思います。 また日本の場合は大手金融機関の子会社や関係会社のベンチャーキャピタルが主流です。 縦割りの構造となっています。 なかなかダイナミックな動きは難しい。
iFund などの動きは今後注目です。 プラットフォーム競争という視点 と その上のサービス、アプリのレイヤーでの投資動向という意味では見ごたえがあります。