最近、ベンチャー投資について回想したこと。
- 自分の「目」で見たものや感じたことを信じる
- 経営者、従業員の方と話したときに表情や目をみたりするとか、オフィスを見るとか、インターンの方と雑談するとか、「目」とか五感で感じることを大切にする。
- 一方、財務諸表、事業計画、経営陣の「経歴」とかは表層的な「文字」に過ぎない。
- 文字を読んで頭で理解することより、 感じたことを大切にする。
- 自分自身の投資の成功や失敗を経験したが、結局失敗したときは、「経歴」とか「技術」といった外見にバイアスがかかるケース。 経営チームの人物や能力をよく理解し、「これは良い」と思ったときはうまくいった。 うまく説明するのが難しいが、びびっとくるものがある。
- 投資後にこれはやばい と感じることは幾度もあるが、人の問題が一番大きい。結局、その後、経営チームがしっかり機能するかとか、そこがまず重要。ビジネスに目が向きがちだが、結局 人がビジネスを作るので、チーム・組織が重要。
- ステージのバランスをとる
- アーリーステージ投資ばかりではなく、ミドルステージの投資もバランスをとる。
- 3名の会社 と 20名の会社ではやることが違う。異なるステージの会社を経験することで、組織開発や事業開発のノウハウ・経験が向上する。
- 投資の視点からもリスク分散の観点から、アーリーステージ投資とミドルステージ投資のバランスをとる。 アーリーステージばかりだとリスクは高く、精神的に疲弊する。 順調な会社が1社あるかないかで、ベンチャーキャピタリストの精神面は大きく違う。
- 合理的、長期的な視点で意見をしっかり言う
- 投資先企業 の「社外取締役」だったらば、選任するには株主であるから、株主にとって良いと思うことをしっかり言う。 社長にごますっても良いことはない。
- しっかり意見を言う前提としは、まともなこと、合理的なこと、そして長期的な視点を言う。ロジックや経験が重要。 意味もわからず、コスト削減しろとかわめく人が結構いるのですが、短期的な視点ではなく、長期的な視点で発言する。
- 経営者・経営幹部はどちらかというと短期的な視野になりがちなので、社外取締役は常に長期的な視点を意識しないといけない。取締役会として短期的な方向になるとうまくいくことはない。
- 役割をわきまえる。
- インターネットサービス開発の経験のない人間が、現場に国出すことはしない。自分の役割に徹することが重要。
- グリーの場合は、若者に自由とお金という点の裁量を提供し、雑音から切り離すことが役割だった。 リサイクルワンの場合は創業チームに客観的な社外取締役として経営の診断をし、適切なアクションを提示する(経営合宿をするとか)ことだった。 インタースコープの場合は、二人の創業代表者のバランスをとり、機能的な組織にすること、資金面で支えることが役割だった。 アリエルネットワークは結局役割も何もなく、いろいろとやったがうまくいかなかった。
- 昨年、投資したアルベルトは上村社長のご意見番という感じで、修行が足りないとか、なんか怖い感じで接するのが役割。
- 共同投資をしていて、マイナー株主の場合は、マイナー株主としての役割に徹する。リードインベスターに任せる。 意見を聞かれたしっかり答えるくらいで良い。
- 原因と結果 の関係を大切にする。
- グリーが現在のような成長した会社になったのは、結局 ライバルであるミクシィやDeNAの存在が大きい。競合他社はライバルであり、成功のチャンスを生むことを忘れてはいけないし、諦めてはいけない。
- 結果に対する評価をして、満足するのではく、原因を考え、なぜそうだったかと常に考えることが、投資の質を向上させる。
- 子供の心を忘れない
- いろいろと経験を積むと、いろいろなことがわかってくるが、新鮮な気持ちをもつ。
- 学生インターンがいる会社はどんな人が働いているか、とかよくみると面白い。面白い人、優秀な人は良い会社を見つけるものだ。
- ベンチャー企業と同じ状況になってわかることを大切にする。
- お金がないと投資できない。 お金があることはとても幸せなことだ。
- 厳しい状況を経験した企業や起業家から、ファンドに出資いただく立場になって、我々は何をすべきか、何をすべきかが肌で理解できる。