ベンチャーキャピタリストの仕事として情報収集やネットワークの開拓など非常に重要です。
人によってやり方は違いますが、新聞・雑誌・ブログなどの一般的に読めるものをまずしっかり読み、業界動向を把握することがまず重要です。 そして実際に単なる情報交換といったミーティングはなるべくやらずに、実際の投資検討先・投資先、 VCファンドの投資家・投資家候補と実際にビジネスをしている(可能性も含め)方と真剣に議論することが何よりも重要です。
このように利害関係があるのでは違うと感じています。 インフィニティ・ベンチャーズの場合は、投資 や 投資家から資金調達をする とか、 IVS のLaunch Pad の案件を発掘するとか、いろいろなポイントがあるため、この機会は非常に重要です。
次にネットワーク開拓に関してですが、結局のところ王道はなく、結局 相手にとって会いたいとかいっしょに仕事したいと思うような価値を作るということが重要だと考えています。
これは、「自分」(小林)に会いたいとか、仕事したい というのもありますが、私は特に27歳くらいのときからこの仕事をしており、バリバリの経営者と比べると、経験もネットワークもないという状況でした。 そこでいろいろと考えたのが、勉強会のような企画です。 企画に魅力があれば、人が集まる。 NILS/IVS の前に勉強会のようなことをやっており、 大規模になったのがNILSやIVS です。 IVSの魅力を高めた結果、多くの人が参加したいと思うイベントになったと思います。 現在、300名を超える規模になり、逆にもっと少数で質の高いイベントを好む経営者の方もあり、 IVSのスピーカー、Launch Pad 上位者を対象としたパーティを開催したりと、小規模と大規模なものをミックスするようにしています。
小規模イベントとしては、今度 Launch Pad の過去の参加者を対象としたReunion (同窓会)を開催をするといったことやっております。
私の企画するイベントやパーティは原則 招待制とすることがポイントに考えています。また、誰が招待対象なのか? という点が明確にイメージできる、わかるということが重要です。
例えば、IVS の海外招待者向けの案内には過去のスピーカーリストが掲載されています。この人たちがスピーカーだったイベントにスピーカーとして参加できることは大変名誉なことだ といったメールを頂きます。 Launch Pad のReunion も Launch Pad に参加していた方という点で、特定することができ、安心感があります。 IVS スピーカー、Launch Pad上位者向けのパーティも同様です。 対象を絞る、テーマを絞ることで参加者の期待と満足のギャップを埋めやすくすることがきわめて重要なポイントです。
このような活動をしてきながら、上記のようなパーティにはインフィニティ・ベンチャーズの重要関係者(投資家など)も案内することで、ネットワークの価値を提供することもできますし、効率的にいろいろと紹介することができます。
私の場合は大規模のIVS や小規模なイベントを行いながら、リスト(名簿)をまず作成し、関係つくりをしていきます。 いろいろなイベント・パーティに参加することも重要です。
具体的な例を出すと、グリーのケースは、NILS 第一回目は2004年11月の開催ですが、そのとき当時 CNET の編集長だった山岸さんといっしょに仕事をしていて、山岸さんが企画した勉強会に参加しました。はてな で開催された勉強会で、近藤さんにも初めてあいましたし、田中良和さんにも初めてありました。NILSの前日のことです。 そこから投資につながっていきます。
グリーの投資直後、 広告代理店営業を強化したいということで、いろいろと広告代理店を開拓していた時がありますが、その際にオプトさんを紹介してほしいと山岸さんに依頼され、紹介しました。これはNILS で関係があったからです。
2006年8月の香港で開催されたRed Hering Asia というイベントに参加したとき、Google のコーポレートデベロップメントのチャールズ・リムさんといろいろと話す機会があり、2006年11月のNILSのスピーカーとして招待したりました、 そのチャールズさんからグリーの田中さんとのミーティングをセットしたのですが、そのときにいっしょに出てきたのが、ジョン・ラーゲリンさんという日本語ペラペラな方でした。その時は入社して間もないくらいのときだっとと記憶していますが、その後、ビジネスにつながっていきました。 2006年8月というのはまだグリーがEZ GREEを発表する前の段階であり、モバイルビジネスもほとんどなかった時です。 たまたま知り合う機会があり、 ラーゲインさんと会ったのは2007年2月ということでまだEZ GREEを開始して初期段階です。
今もいろいろと何がつながるかわからないものだと思うことが多く、マメにIVSに招待するとか、パーティに招待するとか、情報を提供するとか、していく以外にないと思っています。
情報の提供という意味では、グリーにIPOに関する英語版のパワーポイント(一般的に入手可能な業績データーとか加工して英語化したもの)を作成し、PDF にして、海外の主要なベンチャーキャピタルの方などに送ったりするとかしています。
このようなことをマメにやっておくと、記憶に残るし、良いレファレンスになります。
レファレンスというのは、Aさんから小林さんのことを聞いたとか、インフィニティ・ベンチャーズのことを聞いたとか、調べたといったものです。
こんなことを日々ひたすらやっています。 他の人から見て価値のあるネットワークがある、情報を提供している といったことを地味にやるということがポイントだと思います。