この記事は大変面白い。
運営は資産家からの寄付で成り立っている。 ビジネスではなく、NPOである。質の良い記事を提供することができる。 記事も政府を動かす。 凄いな。
以下、引用。
朝日新聞の1面トップに、新興インターネット企業配信の署名記事がそのまま載るだろうか。日本では時期尚早だろうが、アメリカは違う。 2009年7月12日、有力紙ロサンゼルス・タイムズ(LAタイムズ)の1面トップに「患者が苦しんでいるなか、悪徳看護師がのさばる」という異例の長文記事が出た。記事は1面から中面へ続き、計4ページぶち抜きで掲載された。 病院から薬を盗んだり、患者を殴ったりしたことのある看護師が、資格を剥奪されないままで野放し状態になっている――。 LAタイムズの記事を読んでカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーは怒り心頭に発した。直ちに行動し、州の看護師資格審査会メンバーの大半の解雇に踏み切った。 この記事を書いたチャールズ・オーンスタインとトレーシー・ウェーバーの2人は、実はLAタイムズの記者ではない。ニューヨークに本拠を置く非営利団体(NPO)、プロパブリカ所属だ。同社は2007年10月設立で、印刷媒体を持たないネットメディアである。 (中略)
ロパブリカの主な資金源は、銀行経営で巨富を築いた慈善事業家ハーバート・サンドラーだ。彼が毎年運営費として寄付する金額は1000万ドル(約10億円)に上る。スタイガーの「ウォッチドッグ・ジャーナリズムを守りたい」という信念に共鳴したという。 いずれ日本の新聞社も大リストラを強いられるかもしれない。そんなとき、サンドラーのような慈善事業家が登場して、調査報道に特化したNPOを立ち上げてくれるだろうか。寄付税制の整備も遅れている日本では、そう簡単にはいかないだろう。 そもそも、1面トップに設立間もないネットベンチャー配信の署名記事を載せるほどの度量が大新聞になければ、寄付税制の整備を進めたところで大きな変化は望めない。