ICCパートナーズ 小林雅のBlog

ベンチャー企業が育つインフラつくり

ＰＣフォーラムに参加してみて、こういうフォーラムが２９回も続いているんだなーと感じます。
ＮＩＬＳは年２回頑張って開催しても、ようやく４回目です。　こういったコミュニティ（生態系）があることが非常に重要と感じます。　

ネットバブル期はベンチャー企業が展示するようなイベントがありましたが、最近はありません。ビジネスとしてやってしまうと、どうしても市況に左右されます。　重要なのは継続して開催することだとＰＣフォーラムを行って感じました。

ＮＩＬＳはＣＮＥＴさんといっしょに企画したように、　ＤＥＭＯみたいなものも仕組みを考えていきたいです。　

注目集めるクリーンテクノロジー--クライナー・パーキンスやPARCも取り組み強化

ＣＮＥＴに注目集めるクリーンテクノロジー--クライナー・パーキンスやPARCも取り組み強化
という記事があった。　エネルギー関係の投資ではＵＳでは活発になっている。

ＫＰＣＢのリリースはこちら。　ＫＰＣＢはウェブサイトをリニューアルしたようだ（今まではちょっとショボかった）。　

６００million のファンドのうち、　100million をGreentech に振り向けるという発表だ。　イニシアティブと呼んでいる。　　イニシアティブというのは、ある投資分野をフォーカス分野と定め、ネットワークや知識などを獲得するといったものだ。　

ＶＣの組織体としては、投資第何部　とかのチーム制　という考え方　と、　イニシアティブという形で、分野を定め、チーム構成に柔軟性を高めるという方法がある。

ＶＣ業界向けセミナー企画

４月に開催予定のセミナー＆パーティンの内容ですが、投資戦略の説明みたいなものは当然ながら、　パネルディスカッションをやろうかなと思っています。

”今、ベンチャーキャピタリスト（ベンチャーキャピタル）に求められるもの”

という感じの内容です。投資先の経営者の方に参加していただいて、議論するイメージを考えています。　　

ネットワーキングイベントの経済学

今度　開催する　ＶＣ業界向けセミナー＆パーティ　の効果を考えてみました。

業界関係者８０名くらいのイベントになりそうなのですが、年２－３件の投資を行っているわけだから、８０×３社　＝２４０社くらいの投資案件の話を得ることができます。　重なっている案件もあるので、５０％の１２０社くらいでしょうか。それでも十分な数です。

ディールのソーシング（発掘）は、直接開拓するか、他のＶＣの方からの紹介など間接ルートです。直接ルートはＮＩＬＳのような活動をしっかり行います。　間接ルートは他ＶＣの方々とのパイプがポイントです。　

参加者には必ずメリットのあるイベント、満足するイベントにするというのがポイントだと思っていますので、４月は面白いイベントになろうかと思います。

投資分野をどう考えるか？

最近、投資家の方々からのヒアリングを受けているのですが、　なぜ　投資が成功したか？　という質問を頂きます。

我々の投資案件では３社ＩＰＯしているのですが、ポイントは”誰も投資しない状況で投資している”という点です。　

ワークスアプリケーションズの時のファーストラウンドは数十社のＶＣにビジネスプランを送ったが、会ったのは弊社とジャフコだけだった。投資したのは弊社だったというストーリーです。　　　ＧＤＨの場合は、2ndラウンド、3rdラウンドという業績も含め、厳しい局面ｄで、投資したり、資金調達をまとめるといった作業が　現在のＩＰＯやリターンを支えています。　ユニバーサル・ソリューションシステムズ（ＵＳＳ）は、　ベンチャーリンクグループで、ご存知の通り、　顧客離れなどで大変な時期でのカーブアウトでした。　他ＶＣの方は、”ベンチャーリンクさんが・・・”といって断ったという経緯もあるくらいです。　

ＩＰＯしていない会社でも、厳しい局面で支えた案件はいくつもあり、順調に成長している会社があります。　もちろん、すべてがうまくいくわけではないですが、　粘り強い支援　というところが高いリターンを生み出すポイントであると考えています。粘り強い支援ができるのは、投資先の経営チームがあってこそです。　うまくいくった案件　と　そうではない案件は経営チームのレベルにあります。

ＶＣ投資は錬金術はありません。　投資先の中長期的な成長こそが、リターンの源泉です。　短期的にどっかと合併してＩＰＯしましょうとか　短絡的に考えてはいけないのです。

運頼みではく、実力がしっかり出る投資を今後も続けていきたいと思います。

アース製薬の未公開株流失事件

アース製薬の未公開株式の販売で、捜索が入った というニュースがある。大塚製薬グループ関係だ。　名簿業者から名簿を買って、１日２００－３００件電話をして販売していたそうだ。

実は、私も名簿業者に名簿が登録されているらしく、会社に　マンションに投資しませんか？とか、未公開株式かいませんか？　とか電話がかかってきます。　

アース製薬は聞かなかったですが、大塚製薬？とか、大塚系の未公開株式を買いませんか？ということで、資料を送ってきた会社があった。　捨ててしまったが、これから都度、ブログにアップして行こうと思います。

アース製薬の場合は、譲渡制限がある株式であるため、譲渡は取締役会決議が必要なのですが、売買していたということになります。　

通常は　未公開の場合は株券を不発行にするケースが多いです。我々の場合は株券は発行して頂きますが、金庫に厳重に保管しています。

この手の未公開株式の話は　手を出さないほうが無難です。　気をつけてください。

個人株主が多い未公開の会社は、個人の方が譲渡制限だとか、質権設定だとかに詳しくないケースがあり、　実際は譲渡されてはいないが　"権利”を売ったとか　よくわからないケースが起こります。　　気をつけたいですね。

ベンチャーキャピタル業界の動向

最近、ベンチャーキャピタル業界の動向をちょっと書いてみます。

別にスクープでもなく、業界にいる人ならば良く知っている話です。

最近の業界最大手のＶＣの動きが凄い・・・・。　　凄い　というのは、Ｖａｌuatｉｏｎを吊り上げていき、多く金額を投資する　というものだ。　これはネットバブル期によくあった話で、同じような話が増えている。　これは既に数多くの会社でそんな話があったと聞く。

ベンチャー企業にとっては、同じシェアを放出しても多くの資金を調達できるのでメリットは大きい。　一方、　他の同業他社の方からは、「どうかしている・・」という声がある。

私の見解は、投資の仕方は様々あるため、ファンドとしてリターンが期待できるのならば良いのではないか　という考え方です。　ファンドの投資戦略そのものなので、私のような外部の人間がとやかく言うものではない。

我々は我々で投資戦略があり、正しいと思ってやっている。　個人的にはどういう結果になるのか楽しみだ。　　光通信キャピタルもとやかく言われながら、一休などスマッシュヒットがあり、投資金額は回収している。　光通信のＩＲ資料を見ると、２００５年１１月の資料では投資回収率が１23％になっている。約９５０億円投資し、約１167億円回収だ。
（参考ＩＲ資料）

ＶＣというのはいろいろ形態があり、面白いビジネスだなと思います

時価総額の意味

最近、いろいろと公開企業が増え、またライブドア問題があったため、改めて時価総額の意味が問われる時代になったと思う。時価総額は株価×株式数　で計算されるもので、株式数は増資しなければ一定なので、時価総額は株価で決まる。　株価は市場での取引で決まる。
企業価値　だなんだという学問はあるものの、あまり関係のないところで株価が決まる。

個人的な意見では、株価なんてあまり重要視するものでない　と思っている。創業者などの株主は資産価値が膨らむので、それはそれでハッピーだとは思うが、　会社の実態を反映しているものではない。

一方、企業の経営者は、自分たちの会社が正しく理解され、評価されることを期待していると思う。　

アナリストの仕事ではないが、　株価ではなく、この会社は良い・悪いとか　そういった評価をする会社があってもよいのではないか。　

個人的な意見ですが、経営者はアナリストから評価されて嬉しいのか？と思う。　嬉しくないだろう　というのが仮説だ。　　やはり、経営者は他の経営者から高く評価されるとか、プロの投資家（定義は難しいですが）から、良い会社だと評価される　ということを思うのではないだろうか。

日経新聞などに　アナリストなど市場関係者が評価する　新興企業　のリストが掲載されるが、それでいいのか？

株価は市場での取引価格であり、　企業の評価とは別である。　違った視点で企業経営をしていかないと、間違った方向に向かう。

難しい問題ですが、　考えていきたい問題です。

ＶＣの仕事（雑感）

最近、ファンドの資金調達活動をしていますが、ＶＣという仕事というのは多岐にわたるものだなと実感します。　　今日の一日は午前中は投資家のインタビュー２件、　午後は新規投資案件のレファレンスインタビューなど４件、夕方は投資先の経営会議に参加　というスケジュール。　　合間にはファンドの監査法人向けの説明資料の作成やＮＩＬＳの手配などいろいろと仕事をしていた。

投資検討・評価　、投資先のサポート、　ファンドの資金調達などのＩＲ活動。　いろいろ感じた１日であった。　

ベンチャーキャピタリストである理由

たまに　小林さんは起業しないのか？（ベンチャー企業を起こすという意味）という質問があるのですが、　自分はベンチャーキャピタリストとして頑張るんだ　という答えをします。

経営者としては適性がない　ということもあるのですが、　現在の日本の環境を見ると起業家より、”ベンチャーキャピタリスト”が圧倒的に少ないということがあります。　独立系のＶＣが少ない。　

産業活性化という意味では、　ベンチャーキャピタリストとして業界発展に貢献するのが価値のあることだ　と思い、　この道で頑張ろう！と思います。