今日はいつもお世話になっているクオンタムリープ社主催のベンチャーキャピタル勉強会に参加した。今回で3度目の開催で、私は1回目と3回目に参加しました。今回はカーライルの吉崎さんとDCMの伊佐山さんを講師に10名程度の勉強会でした。出井さんもご参加されています。
吉崎さんからは、日本のベンチャーキャピタルやグロービスキャピタルの現状や日本のIPOマーケットの状況など今後の業界変化に対する話。 伊佐山さんはシリコンバレーのVCの動向や中国関係の投資、日本のVC業界の問題点と解決策の案 などの話でした。
吉崎さんや伊佐山さんは個人的に親しいのですが、改めてお話を伺うと大変勉強になりました。
面白い数字としては、吉崎さんからは、2006年3月から2007年3月までにIPOした会社のうち80%の会社が初値を下回っているという話。 個人的は初値だけではく、公募価格に対して下回っているかどうかとか、時価総額との関係性など、いろいろと自分で調べてみようと思いました。 時価総額100億円未満の会社が多く、上場しても大きな金額を調達していない。株価も下がって、公開市場のリビングデットという感じの話でした。
今後の方向性としては、小型のIPOは結局しても意味がないということで、IPOするにしても300億円以上の時価総額で、かつIPO後も成長が見込めるものになっていく。 そうなると、5-20億円といった金額を未公開の段階で調達するようなベンチャーキャピタル投資にシフトするのではないか? と思っていたりします。
一方、伊佐山さんのデータとしては、DCMは500億円規模のファンドを運用していますが、投資担当者は9名。バックオフィス系を入れても15名はいないでしょう。 一方、同じ規模のNIFSMBCの従業員数は約200名。 VCの投資金額の統計データとしては、VCの投資金額は日本は米国の10分の1規模。一社あたりの平均投資金額は日本は1億円で、米国では8億円程度。
VC産業の構造が大きくことなるということを数字で再認識して面白いかったです。普段感じていることですが、やはりマクロの数字をしっかりおさえることは重要ですよね。
私の投資案件の平均投資金額は3-4億円程度なので、ちょうと日本と米国の中間値といったところ。
今後、IPOするタイミングを数年遅らせて、時価総額300億円以上のIPOを目指すということになると、今のIPOする企業の大半は未公開のファイナンスを行うはず。170社とかIPOしているわけで、100社くらいが10億円の資金調達したら、1000億円規模のVC投資の機会を創出できます。
また、DCMさんの投資の成功の定義は面白くて、たとえばホームランというのはファンドサイズと同じくらいの成功のこと(つまり、500億円のファンドなら500億円の規模のリターンを上げること)。ヒットはファンドのサイズの10%、つまり50億円程度。 倍率とかIRRとかではなく、キャピタルゲインの総額が重要。 1億円の投資しが、5億円になりました ということはあまり意味がなく、 5億円投資して、50億円になりましたとか、そんな感覚だそうです。
投資の考え方も大きく違うよなと思います。 自分の投資パターンやEXITのパターンをみてもシリコンバレーとの差は大きいと感じました。 が、 日本の平均と比べると米国に近い。まさに中間という感じでしょう。 今後の5-10年でよりシリコンバレー流に近づけていければよいなと思いました。