企業(コーポレート)型 と パートナーシップ型 というVCの組織形態の話をしましたが、どんな違いがあるのか?という点を説明したいと思います。
まず、ベンチャーキャピタルの解説ですが、 Wikipedia の英語の説明がわかりやすいです。
また、パートナーシップの概念としてGeneral Partnership と Limited Partnershipが存在します。
Partnership の解説は以下の通りです。通常の「株式会社」と異なり、日本語では「組合」という形で表現されますが、個人と個人が契約し、いっしょに仕事をする、そして利益も分配するというものです。 組合ですが、パススルー課税といって、パートナーシップ(組合)には課税されず、パートナーシップに参加する個人に直接課税されます。たとえば、50:50の比率のパートナーシップだとすると、利益が2万円でた場合、その2万円には課税されず、各パートナーに1万円づつ利益配分され、それが個人の取得としてほかの取得と合算されて課税されるというものです。 イメージ的には日本では個人事業主の連合体といったところです。弁護士事務所とか会計事務所といった仕事に向います。
A partnership is a type of business entity in which partners share with each other the profits or losses of the business undertaking in which all have invested.
In most countries, a partnership is a nominate contract between individuals who, in a spirit of cooperation, agree to carry on an enterprise, contribute to it, by combining property, knowledge or activities and to share its profit. Partners may have a partnership agreement, or declaration of partnership and in some jurisdictions such agreements may be registered and available for public inspection. In many countries, a partnership is also considered to be a legal entity, although different legal systems reach different conclusions on this point.
Partnerships are often favored over corporations for taxation purposes, as a partnership structure eliminates the dividend tax levied upon profits realized by the owners of a corporation.
The most basic form of partnership is a general partnership, in which all partners manage the business and are personally liable for its debts. Two other forms which have developed in most countries are the limited partnership (LP), in which certain "limited partners" relinquish their ability to manage the business in exchange for limited liability for the partnership's debts, and the limited liability partnership (LLP), in which all partners have some degree of limited liability.
シリコンバレーのVCファームはこのパートナーシップ型になっており、才能ある個人の
集合体といってよいでしょう。 リスクとリターンを共有するという構造です。税金もパススルー
課税のため、2重課税を回避できます。 パートナーは所有者(オーナー)かつ業務執行者
となります。
会社型ではたとえば、3名のパートナーが3分の1づつ株式を保有し、業務を執行する
ということをすると、業務上は同じになりますが、税金という面で、会社で利益がでた
場合は、法人税を払う必要があり、非効率な組織となります。 同じようなものを
したいのであれば、パートナーシップ型が有利なわけです。
前回ご紹介した「会社型」というのは所有 と 業務執行をする人が異なるケース。たとえば金融機関の子会社VCの場合は株主は銀行といったようになり、業務執行をしている人はその会社に雇用されている従業員となります。 利益の配分という点で、業務執行している人の給与 と 株主に対する利益配分の利害は必ずしも一致しません。給与をたとえば100万円を上げると、株主にとって100万円利益が減るという構造です。
一方、パートナーシップ型組織は、 所有と業務執行と一致しています。 経費を差し引いて残った利益を分配するため、経費の使い方の議論になったり、パートナー間の実力格差の問題になるくらいだと思います。
ベンチャーキャピタルビジネスの場合は、マネジネントフィーと キャリー(日本語でいう成功報酬)の2つが収入源となるため、非常にシンプルなビジネスです。リスクのとり方によって大きく、収入もかわるというのは当然のことです。
株式会社の場合は、通常の従業員は責任はほとんどありません。一方、パートナーシップ型だとジェネラルパートナーは無限責任となります。 前者の場合は、従業員がリスクをとっているわけではく、会社であったり、株主が金銭的なリスクをといっています。
どちらがよい・わるい ということではなく、 一攫千金!を目指すならパートナーシップ型ですし、リスクとならないで、VCの仕事をしたい といった会社型が向いているということでしょう。
特徴をうまくいかすというのがポイントだと思っています。 やっぱりパートナーシップだよ!といった場合、当然ながら破産する人もいるでしょう。 リスクとリターンのバランスですよね。