このところ、Admob と仕事したり、 Slide.com のCEO と直接話す機会を得たりすると、 見た目はシンプルなサービスだが、なぜそのサービスが持続的な競争優位性をもっているのか?ということを考えるようになった。
Admobは日本はまだ開始したばかりだが、グローバルのモバイル広告のマーケットプレイスとしては最大だ。そして成長を継続している。 仕組みはいってシンプルだ。広告のクリック単価をいくらと設定し、予算を決め、チャネルや配信するエリアや端末を選ぶだけだ。
表面(UIや機能)はわかりやすさ、使いやすさを追求する一方、 裏側では広告のパフォーマンスの最適化に力を入れている。
Google も検索ボックスがあるだけがだ、その検索や広告のマッチングの質を高めるため、裏側の仕組みにものすごい時間とお金をかけている。
「あちら側」と「こちら側」 という言葉が流行したが、 最近思うのは、「表側」と「裏側」だ。
Slide.com のCEOの話の中で、スライドショーなどのクリエティブは競争優位にはならない。何が評価されているか、判断する仕組み(PDCA)が重要という話だ。
Slide.com はつかったらわかるが、写真をアップロードして、スライドショーを作るだけ といえばだけだ。同じようなサービスはあった。 表側にでてくるのはちょっとの差だが、結果のユーザー数の伸びは大きく差がでてくるということなのだろう。
「表側」は簡単にマネすることはできる。難しいのは「裏側」だ。 AdmobにしてもSlide.comにしてもどのようにやっているか、内部の人間しかわからない。 この裏側の部分は、持続的な競争力の源泉となり、どのようにやっているか?というのが、経営するうえで重要だ。
一方、Launch Pad の応募などいろいろサービスを見る機会が多いのですが、表側の話が多い。こういうサービスを作ったとか、こういう流行っているから、日本でも・・・ というものだ。
持続的な競争優位性があるのか? という点が重要だ。 例えば、グリーは2006年11月からEZ GREE というモバイルSNSを発表した。当時もDeNA のモバゲータウンは高成長していた。 当時はEZ GREE は似ているととかいわれていた。
モバゲータウンは1000万ユーザー突破。GREEも400万ユーザー突破。 2006年11月のときは50万ユーサーくらいだった。 なぜ、成長を持続しているのか? 似ているからでははない。
似ているものは作れるが、持続的に競争力を持ち、成長するサービスを作るというのは難易度が異なる。 Google と同じ検索画面は作れるだろうが、検索結果は大きく違う。
中国のBaidu (百度)の画面はGoogleに似ているが、表側が似ているというこては大きな意味をなしていない。
Web 2.0 が流行ったときは、数名でスタートできるので、ベンチャーキャピタルから資金調達しなくても、やっていけるとかそんが議論があった。 表側のサービスは数名で開発可能だ。
しかしながら、持続的競争優位性を構築するという点までいっていない。 Admobは約18億円調達したり、最近 Slide.com は約50億円の資金調達を行っている。 お金はかかるものということだろう。
最近はこのような裏側の仕組みを知りたいと思う。Slide.comにしても実際どうやっているのか? 大変興味深い。 いずれにせよ徹底的に分析をしているということだ。PDCAのサイクルをきっちりまわすというのはどの会社でも重要なことだと思う。