アーサー・D・リトル時代にいろいろと組織の分析をしたことがあった。方法論があって、会社の不文律の分析というものだ。
この分析をクライアントに提案するときには、「氷山の一角」のチャートを説明する。不満など表面に出ていることがはごく一部であって、真の問題は水の中に沈んでいる部分(水面より上で出ている氷山よりはるかに大きい)。 これは顧客のクレームのマネジメントも同様で、不満持っている人と実際に言う人の数は異なる。たとえばクレームをいってくれた人にお金を支払うといった工夫をするとかで吸い上げる仕組みをつくる といった内容と同種だ。
私自身、NILSではアンケートを実施している。約300名中 約140名が回答している。
満足度評価を行っているが、実際は160名の方が回答をしていない。単に忙しい・面倒
ということもあるが、実際に不満に思っている方も多いと推測している。また、アンケート
に回答していても実際に私が思っている以上に不満だ とか多いと思っている。
結果に安心するのではなく、私自身 参加者の観察をしっかりするようにしているし、
常に改善余地があると思っています。 観察力を高めることが、氷山の一角から、全体まだは
いかないにしても、多くのことを知ることができるということになると考えています。
表面的な問題は、10-20%だとして、 残り90-80%は問題が存在するが、わかっていない問題があると考えをすることが重要だ。 つまり、ぜんぜんわかっていないということだ。観察力を高め、もっと知るようにすることを意識することだけでもぜんぜんちがう。
ベンチャー企業の場合は、組織の問題点は①離職者が増える、 ②生産性が落ちている、③良い人が入ってこない といったところが表面的な問題だ。 そこから何を学ぶか?ということが重要だ。 たとえば、採用に関しては、最近採用が難しいという外部環境を理由にするのが間違いだと思っている。
表面に出ている問題は10%に過ぎないと考え、日々考えることが重要だと思う。